晴野 では今夜最後のトピックに移りましょうか
ロバ ★トピ3 違和感を覚える展開 平和な世って?
犬さん 数回前の伊呂波太夫の「武士がいるから戦が起きる」の台詞や、今回の駒ちゃんの「京で戦はしてほしくないです」発言が光秀⇒信長まで動かしてしまう展開への違和感ね?
ロバ そうっす。ちょっとこのドラマの平和観が奇妙なんすよ。違和感がある。
犬さん 詳しくお願い
ロバ 大前提として、ぼくも犬さんも、きっと多くの視聴者もだと信じてるけど、平和がくる=麒麟がくる。そんでその道筋は道三が示したものに他ならない。そう思って観てたわけですよ、自粛前とか
犬さん もうまったくその通り! 道三の言った「誰からも攻められないほど強く大きな国」、それこそ麒麟が来る世だと。あとは序盤に松永久秀に語らせた鉄砲=抑止力。だから、織田信長の政策や史実の行動こそ、麒麟を呼び込む道として描かれると思ってた
ロバ そう、さんざん言ってるデカイ国を作る。誰にも攻め込ませない攻め込めない強いデカイ国。圧倒的軍事の差があれば、誰も合戦なんて起こさない。ってことでしょ。
犬さん それには相応の軍事力が必要。場合によっては何度か合戦をして、天下にそれを知らしめる過程も必要
ロバ でも、作中の民の声は「武装した武士怖い」、「まじ京都が焼けるの勘弁」、「即物的に金欲しい」、「武士滅べばいい」ばかり。愚かで大局が見えていないにも関わらず、声高に平和だけを叫ぶ。先々にある危機を乗り越える強い意志などなく、目先の救済のみを尊ぶ、貧すれば貪するの象徴なのではないか? とそう思うのです。
犬さん その観点でいうと今回も大きな矛盾があって。「京は焼かないで!」とは言うけれど、でも南近江の六角さんの城下で合戦しても誰も文句言わないw ここも大局が見えていない=視野が狭い、とツッコめる部分。まあその矛盾を印象付けないためのナレ処理だったのかも
ロバ ぼくは矛盾を許さんマン! これちょっと前、憲法改正云々が話題になった時にも何人かの人が言ってたけど。戦争は一人でやると勘違いしている戦後日本の反戦感覚に近いんですよ。
犬さん ああ、武力を持つと相手を刺激するってね
ロバ 抑止力の話はどうしたよって!
晴野 私としては、駒が今井宗久を動かす点については、私もやりすぎとは感じたものの。駒の「戦は嫌にござります」は良いなと思ったんですよね。
犬さん ほうほう、詳しくお願い
ロバ 『花燃ゆ』なの?
晴野 『花燃ゆ』や『江』の「戦は嫌にござります」とは全く違うんですよね。だって、駒は戦争孤児で、焼け野原になった京で身寄りもなく、助けはありながらも自分の力で生きてきた人物ですよね。そりゃ「戦は嫌にござります」ですよ。しかも、京は先の応仁の乱からの復興がなされていないまま、未だ飢えに苦しむ人たちがいる。ただの一般庶民が、「もう戦はやめて」「家を焼かないで」って思うのは当たり前というか。
犬さん まあ二人の言い分こそ、このドラマの本質的テーマであってほしいね。大所高所で天下のことを考えられるのは、その日の食には困らない大名や武将たちの階層であって。それに演出論から言うと、駒ちゃんや伊呂波=視聴者と同じ庶民、なので、ストーリーテリングの役をさせやすいんだよね。多少、お花畑的な書生論を言わせても、反感を買いにくいっていう。その両方の階層からの見方を描くことは必要だし。その両方を呑み込めるのが信長のやり方♪
ロバ だから今の展開は、コロナへの対応が遅れて、休止に追い込まれた池端先生の恨み節とも取れるのですよ。
犬さん それはちょっとうがちすぎかもなあw
晴野 ドラマの本質的テーマなんだと思いますね。戦国時代ってのは、なんで武家に年貢払ってんの? っていう整合性が取れない時代なんですよ。だからこそ麒麟が来て欲しいんですよね。
犬さん 本質的なテーマについては、松永久秀や今井宗久あたりは気づいてるのに、光秀や義昭は全然見えていないから、目の前で駒にああいうことを言われるとグラついてしまう。でも今回初めて、光秀が駒にハッキリと「戦は避けられん」って言い切ったよね
ロバ ですね。そこに唯一の希望があるのだけど
晴野 庶民目線で言えば、無茶を言っても、褒美を与えてくれて、約束を守ってくれる。そんな為政者こそ麒麟なんだと。
犬さん 駒のような立場の者には、覚慶時代の義昭のように、町の辻々で現金をくばって回るような存在こそ、「その日の食」を救ってくださる人に見える。でもそれを永遠に持続させたり、全国規模でやることは不可能。そうできる政治や、根本的にそういう民を生み出さない社会にしなきゃならんって考えるのが信長たちで、庶民全体が信長の目線に到達しろってのは多分無理な話になる。
晴野 年貢(無茶)納めるから、日々の暮らし(褒美)を守ってよ。ってことですね。
ロバ だからこそ草莽崛起ボトムアップが必然に他ならない。
犬さん いや、幕末ならいざ知らず、戦国のこの頃に草莽崛起は無理が過ぎると思う。戦国時代ではその現実的な表出が、一向一揆になるワケだから。
ロバ いや、大河なので訴えかけられるべきは現代の我々ですよ? ギリ死なずに食える最低ラインのところは保証されてんだからね。もう少し天下国家のことを考えろ。だからテーマは草莽崛起なんです。それと同時に、貧すれば鈍するんだからまずは富国を目指せよという国家の自戒ね。
犬さん ロバートはあくまで警鐘的ドラマの視点から語ってるのね。今オレとみこは多分駒ちゃんの台詞とかその目線の話をしてる。
ロバ あ、なるほど。道理でレイヤーがズレてる感じがしてたw
犬さん この『麒麟』は、現代の草莽に崛起せよ、と訴えているドラマだ、っとロバートは言ってるのね。それならわかる。オレたち現代の草莽は、たしかにまだ餓死するレベルにはなってないから。この先はそうなるかもだけど
ロバ そうそう! ドラマの主題ってのは、視聴者に訴えかけるべき気づきと思想だからね。
晴野 ならば、より庶民のリアルな声を描くことも必要なのでは?
犬さん くどいけど整理すると、ロバートはなにもドラマの中の駒ちゃんに「天下国家を考えろ」と要求してるんじゃないのよ
晴野 理解してます(`・ω・´)
犬さん みこの言うこともわかる。警鐘ならば、庶民の目線も武将の目線も、その両方が必要だろうってことだよね。
ロバ そう両方なんですよ。僕がここで言ってるのは、なぜTwitterで「麒麟がくる」で検索すると、そのすぐ下に「駒いらない」って出てきちゃうのか、なぜここまで嫌われてまでドラマの駒はあんなことを語るのか、って現実へのアンサーだから。
犬さん で、オレ先に書いちゃったけど、その庶民と武将両方を言い分を内包できるのが信長のやり方しかないじゃん! ってこと。なのに光秀はそれに気づかないの
ロバ そうなんですよ! やはりね、光秀の視野が狭い。
犬さん おそらく最後まで気づかないか、気づいてもなにかがあって、本能寺の変を起こしてしまう。その結末がわかってるから、このドラマは警鐘という形に落ち着くんだってのが、ここ最近の我らの見方
ロバ ま、それにしても駒と宗久のシーンは、完全に駒以外を愚か者にしてしまったので本当にぼくとしては悲しかったな。久々の偉人総ナーフ。あれはいらなかったw あそこは警鐘目線でもかばえなかった。
犬さん 両方の視点が必要とは言っても、伊呂波太夫のくだりとかも尺がもったいない気がするワケ。関白のおしめを取り替えただの、踊り子スカウトからの太夫の生い立ちとかね
晴野 伊呂波太夫はちょっとわかんない。何故存在するのかw
犬さん みこでもかばえないwww
ロバ 太夫だけ真面目に謎がすぎるからね。きっとね、僕らが顎外れるくらいのすごい落ちが待ってるんですよ。一本とられたーこれかー。ってなるような
犬さん いやまったくならんと思う。っていうかそんな重大なロールであってほしくないwww
ロバ 実際今回、駒ちゃんも大損こいて、今井宗久一人勝ちになるから、太夫が裏で糸引いてないと違和感があるんすよね。
晴野 それはそうと、やっぱり麒麟はノッブなんですってのを私も言いたい!
犬さん 言え言え~!w
晴野 実際の信長の上洛の頃の記述では、京の町の人たちは最初は、信長が戦をしに来るって大慌てで避難しようとしたりしていて。でも徐々に「戦じゃなくて将軍候補を京に連れてくるだけらしい」と分かって落ち着いています。しかも、信長は京での乱暴狼藉を禁止していて、京の民心はグッと信長につかまれた。信長の政策こそ麒麟なんですよね。
犬さん ホラ見ろっ!w
ロバ 花押も麒麟だしな。
晴野 楽市楽座ももちろんだし、民人を安土城に招待したり。
犬さん っていうか京の庶民目線でもね、「どっか兵力の大きなお武家さんが近畿に居座ってくれれば、戦は起きないのになあ」ってのが肌感覚でわかってたと思うんだよ。理屈で語らなくても
ロバ 経済、行政、法治。全て大名ができるからなぁ。だからあの謎の上洛で逃げ惑う演出に違和感なんじゃよ。 一眼見て非武装ってわかるのに
犬さん 信長は安土で山に提灯を灯して、庶民も招いて一大フェスやるしなあw 民もいい息抜きで大喜びですよ♪
晴野 キレイだったでしょうね
犬さん 宣教師も書き遺してるよね。たしか琵琶湖にも船浮かべて、それらにも提灯だったと思う。今見てもキレイよ、きっと♪
晴野 一説には、弁当箱を発明したのも信長だとか。安土城建てる時の大工さんたちをもてなしたいけど、膳じゃ無理だってことで小箱に料理を詰めて配ったのが始まりだとか。
ロバ これどんどん織田が平和にしてくんだけど、この流れだど光秀自身が麒麟を望んでないってことにしないと、謀反を起こすことにならんよね。
犬さん ああ、だからどう考えても信長の施策を貫かせてたほうが、麒麟が来る世の中になったはずなのに~!
晴野 年貢もとる。だけど、下々からだけじゃなくて寺社からもとるし、堺からもとる。だけど、とった分に関しては絶対守る! これが信長ですよ。
犬さん 堺からは2万貫もの矢銭を取る!
晴野 所得に応じてですねw
ロバ しかもそれは必要な資金だし。堺ならもっと金を生めるから、と踏んでのことだと思うのな。
犬さん お前ら儲けてるだろ、誰のおかげで平和に商売できてる? 織田家の軍事力が守ってるからだろ? なら、当たり前だよな、2万貫でもってw
ロバ うーんそう言っちゃうと、まるでみかじめ料w
犬さん そういう織田家と会合衆との橋渡しや取りまとめをしていくのが、今井宗久。
晴野 掘り返して戻りますけど、非武装で上洛は無理があるな
犬さん 戻っちゃうのかい!w
ロバ だからあれは全部駒の失策だって。今井宗久が作中で言ったじゃん「回収できない金を貸す道理はない」。それは駒がコネクションを繋がなくても揺らがない、商人のセオリーであり矜持!
晴野 歴史作家の桐野作人先生がTWITTERでガチギレしてましたw コレ↓です。
@kirinosakujin 「今井宗久を際立たせるのはいいのだけど、織田軍に甲冑なしで入京せよという要求はさすがにありえない。織田軍は軍事行動の最中である。三好三人衆は織田軍が三井寺あたりに布陣するや、すぐさま洛中から退去しているとはいえ、甲冑無しは不用心です。もう少し当時の常識を尊重してほしい。」
犬さん っていうように↑、武将階層と庶民階層の両方の視点が必要とはいえ、「平服で入京」とか、あまりにリアリティのない描き方になると、ちょっと萎えるよ、と。こういうツッコミも出てきますよってことだなあ
晴野 まさに私が言いたいのはそれでしたw
ロバ っすね。しかもナレで言っちゃうから、知らない子はあれが史実だと思っちゃうよねw
犬さん オレいまでも衝撃なのは、かつて動画で撮ってる頃のナナメ斬りで(西郷どんの時だけど)、みこが「世の中には大河ドラマがすべて史実。歴史の教科書だと観ている人が多いです」っての。
ロバ 僕も小学生の頃はそう思ってたよ? だから歴史の授業でネタバレくらうから、不機嫌になってみなかったやつもあったくらいだしw
犬さん あまりにリアリティに欠けた演出や史実からの逸脱も、こういう弊害が出てくるから考えものね。だから我らのこういうツッコミの数々にも意義があるってことで♪w
ロバ 馬の手綱をチョッパーハンドルにするくらいしてくれれば武侠ものとして認識できるんすけどねw
犬さん 戦国BASARAにする必要ないしwww
晴野 歴史エンタメを楽しんで、歴史に興味を持つ人が増えるのは良いことなのですけどね!
犬さん その橋渡しになれるよう、我らがんばっていきまっしょい♪
ロバ そう! 本当にそれはそう! だからこそ! 毎週こうして激論暴論、省かれてしまったあの戦この史実、解説考察して皆様により大河を楽しんでいただけるよう切磋琢磨していきまっす! それが【麒麟がくるチャットでナナメ斬りッ!】 キンカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
犬さん リアルにいうと、もう深夜2時半だからね~。こんなに遅くまで、長時間みんな熱く語っているのは、こういう↑モチベーションですからね!
犬さん はいっ、キンカーーーーーン‼
晴野 キンカーン
ロバ 時間あっという間 キンカーン!
犬さん また見てね~
晴野 YouTube動画もよろしくお願いします★
ロバ YouTubeの動画の話題もちょいちょい出てきますので、過去の『西郷どん』の動画とかも観てくれるとより楽しめますよ〜
ロバ それではまた来週!
晴野 チャンネル登録もね★
犬さん 我ら励みにしますゆえ~
ロバ よろしくお願いします〜