俺とA子は飲み直すための店を探すために
ふたりきり、歩いていた。
そう、ふたりきり。
なんとA子が誘った人間は俺だけだったのだ。
無駄にテンションが上がるシチュエーション。
俺は少し背伸びしてお洒落なバーに行くことにした。
…がしかし、成人式を迎えたての若造には
そんな世界は妄想の中、素敵なお店を知るわけがなかった。
「どうしよう…」
内心は動揺しつつも、それを隠そうと、
「あの店は雰囲気が…あそこは店員が感じ悪いんだよね…」
なんて知りもしない情報を語りながら、
お洒落そうな名前の看板を探しながら歩いた。
「ちょっとコンビニ寄ってもいいかな?」
A子はどうやらトイレに行きたい様子。
俺は心の中でガッツポーズをした!
そしてA子がトイレに行ってる間、
俺はガイド誌をあら探ししたり、店員にたずね情報を収集した。
そうこうしているうちにA子がトイレから出てきた。
俺は立ち読みしていた『LEON』を
タイトルが見えるように棚に戻し、
すました顔で言った。
「じゃ、行こっか。」
~つづく~