さて今日は年始の南関大一番川崎記念。

 

 結構相性のいいレースと思います。G1級のメンバーで年明け最初にやる重賞。

今年は昨年の東京大賞典とJBC勝った馬が出てきます。ちょっと謎と思っていましたが賞金増額が大きいんだと気づきました。

 今回また増額で8,000万円。この程度のメンバーで 1着8,000万円、2着2,800万円、3着1,600万円、4着800万円、5着400万円、着外手当25万円ってのは結構破格と思います。機を見るに敏な馬主は当然出してくるでしょう。現状帝王賞と一緒ですからね。どっちがといえばこっちの方がかなり楽でしょう。

 

 公営の馬なら重賞勝ったみたいな賞金です。

 

 結局ダート馬は年末のJBCからチャンピオンS、東京大賞典と参戦してここら休んでサウジとドバイって流れだったのが川崎で確勝狙う馬も出てくるって事になると思います。今年はあまりバレていないだけで来年からはJBCやチャンピオンからここへという馬も多数出て来そう。海外で勝負にならない馬や必要以上にレベルが上がりかちな東京大賞典をパスする馬も出そうです。

 

 そういう思惑を読むのも面白い。

 

 さて個別の調教を見てみました。

 

 一番良かったのはペイシャエスかなと思います。名古屋勝ってここへ参戦。

狙いすました訳では無いでしょうがかなりいい動きだったと思います。4歳のエースはノットゥルノなので伏兵気味ですが明け4歳はまだ成長しますのでこの馬も可能性はあると思います。

 

ただ今回の本命は、テーオーケインズ
 前走のチャンピオンズCは、1馬身くらいの出遅れ。そこからじわっと出して一団の好位集団の外で1コーナーへ。3コーナーに入る前に少し位置を上げて、3番手のシャマルの少し後ろの外で直線へ。そこから追い出したが、なかなか前との差が縮まらずジュンライトボルトに差されて4着。

 ゲートで座る癖が出てしまってるのがどうにも気になりますし、出遅れと終始3頭分外追走のロスがあったのが負けた理由かと。ただその前の能力を考えるとこれだけで負ける馬ではない。おそらく「JBCクラシックで走りすぎてしまった」こと。帝王賞で負けた後だったので、次が目標でも「勝って本番へ」という考えになるのが普通。そこから中3週だったのが効いたのだと推定。繊細なのか体力がイマイチかどちらかですが調教はきっちり走っているので力出せれば本命でいいと思います。

 チャンピオンズCは走りからも普段との違いが見えた。左回りは直線で少し内にもたれるのだが、チャンピオン時はこれまでで一番ひどく、ふらついて150mくらいからかなり右に松山騎手が引っ張っていた。普通ではなかったのは間違いない。

 ただこれが重症なら全く走らなくなる可能性もある。1人気だけにパドックは注目です。

 ただこの馬は川崎のコース形態が合っているとは言える。緩急のある流れが得意な馬なので小回り対応が出来る。同じコーナーで緩みやすい中京・大井外回りで適性の高さを見せている。4走前の平安S(ラスト3F12.3 - 11.6 - 12.3)、2年前のチャンピオンズC(ラスト3F12.2 - 11.8 - 12.0)、2年前の帝王賞(ラスト3F12.9 - 12.0 - 12.4)など、道中で緩んで直線で加速する流れは得意。

 川崎はコーナー角度がきついので、強制的にコーナーで緩んで再加速する流れになる。テリオスベルが後続に脚を使わせる逃げをすることを示唆しているが、コース形態的に脚を使わせてクイーン賞のように後半減速ラップの持続力勝負に持ち込むのが難しい(やるとしたら、コーナーでかなり無理をすることになる)。コーナーで脚を溜められる流れになるので、直線でいい脚が使える可能性が高い。

 加えて、勝負度の高さ。川崎記念後は、去年挑戦したサウジカップ(2月25日)の招待を辞退して、ドバイワールドカップ(3月25日)を目標に置いているとの発表があった。ドバイワールドカップなら2カ月先。チャンピオンズCを中3週で本来の走りができなかったことから、レース間隔を空けるローテにしてまずは川崎記念メイチで結果を出して休ませてという意図が見えてくる。まずは捲土重来を見せてからでは無いと海外も不安だけが募る感じになるのは避けたいと思う。

 緩急のある流れになる川崎なら本来の走りを見せてくれると考えて頭固定で勝負する。

 対抗は、ノットゥルノ

 

 気持ち的にはこちらに方に可能性を感じている。

 

 出来はかなり上昇していると思います。
 前走の東京大賞典は、事前想定通り内枠なりの不利を受けていた。

逃げ馬の後ろの4番手で1コーナーへ。向正面で外からリンゾウチャネルが動き、それに被されたくないサンライズホープが抵抗して一気に動いてきたので、ペースアップに離されないように追走。4コーナーから外に出すことを意識した進路。ただ、先に動いていたメイショウハリオに蓋をされる形になって、前に行くのを少し待っての追い出し。追い出しが後手になったので、スピードに乗って直線に入ったウシュバテソーロに外から交わされて追いかけるも1.3/4馬身差2着。
 スピードに乗ってからはウシュバテソーロとの差は広がらなかったので、内枠&展開の影響でスムーズに走れなかったのが痛かった。着差は1.3/4馬身差だが、ウシュバテソーロは完璧なレースをしていたので能力差は感じていません。人気差があるので馬券の妙味はこちらかと。
 世代王者らしい成長曲線を見せているのが魅力。
 ノットゥルノはジャパンダートダービーを勝って世代No1になり、古馬相手になって日本テレビ盃7着、チャンピオンズC8着。そして、成長して東京大賞典4番人気2着。世代王者らしい成長曲線でダート界のエースになる流れで来ている。

 ただ左回りで結果が出ていないが、これは巡り合わせと思う。左回りで走ったのは、芝の未勝利戦とテン乗りの内枠でサルサディオーネに絡んで行った日本テレビ盃、相手が強いチャンピオンズC。チャンピオンズCの内容から、左回りで割り引く必要はないと判断。
 むしろ小回りコースになるの方が心配。大跳びなのでいいとは言えない。でも、この馬より外に入った馬が前に行く馬か明らかに格下の馬なので、外を自分のペースでスムーズに走れる可能性が高い。内で被されると前走のように後手になるので嫌だが、この枠の並びなら力を出し切りやすい。

 前走で先着されたウシュバテソーロより魅力があるので対抗とした。
 

 そして単穴がウシュバテソーロ

 前走の東京大賞典は、押して位置を取りに行って中団やや後ろで1コーナーへ。ペースがかなり落ちたので向正面で自然と好位集団のすぐ後ろに追いついていた。ペースが遅かったので残り1000mで、外から動く馬がいたがそれには付き合わずに、メイショウハリオを後ろでマークする形。3コーナーで進出を開始したメイショウハリオの後ろをついて行って、直線で外へ。スピードに乗って直線に入ったので、その勢いのまま差し切って勝利。

 スタート直後は行き足が遅いので中団やや後ろだったが、全体のペースが落ちたとこで無理せず差を縮めて、早めのペースアップにも付き合わず。ペースが落ちた3~4コーナーで進出して、前との差を縮めるタイミングが完璧。
 それに加えて、前の集団は残り1000mからのペースアップで脚が止まって、かつメイショウハリオがノットゥルノに蓋をしてくれる相手のアシストまであった。全てが上手く行ったレースだった。
 前走の時点では、相手が一気に強くなることが課題で、重賞実績がなく、極端な脚質で芝実績のある軽い馬場巧者(東京ダートの高速馬場で上がり3F34.0秒の脚)。素質に期待のレースだったので消していたが、良馬場に対応して完璧なレースで結果を出した。参りましたというレース内容。

 この馬も小回りコースになるのが課題。

 ダートでは5戦4勝だが、唯一負けたのが中山1800m。東京2100mの走りから広いコースがいいのは間違いない。その点で、1周1200mの直線も短くなるコーナーがきつい小回りの川崎替わりはマイナスになる。中山よりもさらに小さいので追走に苦労しそうな光景が浮かぶ。

 川崎は直線だけでは届かないので、道中どこかで差を縮める必要がある。差を縮めるために脚を使って、そのスピードを維持できるならいいがコーナー角度がきついのでスピードを緩めないといけないコース。長所を最大限に活かすのが難しいコース形態になっている。

 力を出し切るには、東京大賞典のようにペースが上がっていないところで位置を上げられるのか「騎手のペースに合わせた乗り方」が重要になる。川崎2100mだと2周目向正面に入ると全体のペースが上がるので、2周目2コーナーまでにどれだけ位置を上げられているか。それを実行するには、テリオスベルが逃げる展開はペース判断を難しくする。
 位置を上げられずに2周目向正面に入って、前に残られる可能性が高いと考えて3番手評価の単穴までとした。ちゃんと走っても勝ち切るまでは難しいとの判断。

 そして穴でライトウォーリア 

 今回上位馬に小回りの不安が少なからずある。そこをついての得意な外枠。

 

 先行しやすいメンバーなのはかなりいい。

 前走の東京大賞典は、内枠から出して行こうとしたが外から被されて好位馬群の内の6番手から追走。向正面で外から動く馬がいて位置取りを下げたが、直線を内で我慢して残り200mを過ぎて外に切り替えて伸びてきて5着。

 ハナか好位外のもまれない位置で持続力を活かしたい馬なので、ハナを取ってペースを落とす作戦を実行したショウナンナデシコに被された時点で終わったと思っていた。それが好位内で我慢して、直線で外に切り替えてから失速してきたショウナンナデシコを交わして、サンライズホープに迫る脚を見せたことに驚いた。

 今回も強い中央馬が揃ったが、大外に入ってもまれずにスムーズに走れるのはプラス材料。
 

 大外なら内を見ながらじわっと出て行けて、テリオスベルが途中からハナを取りにくる時の対応だけ気を付けたら、もまれる位置に入ることはない。好位内でもまれた東京大賞典より、いい走りができる可能性が高い。逃げれる可能性もある。

 厳しいレースになった東京大賞典が1.1秒差5着なら、大外で力を出し切れて、かつ中央馬の力の出せない馬が多くなると馬券圏内まであっていい。相手に入れておきたい。

 

 その次に当初書いたペイシャエス。この馬にも可能性を感じてはいるがどうも重い馬場を苦にしそうなので抑えにした。体調はこの馬が絶好ではある。

 

 

 穴でエルディクラージュ。去年より好メンバー相手になるが、中央馬に力を出しきれない馬が多いと去年同様に出番があっていい。完全にコース巧者。

 テイオーかノットがどちらが勝つように思う。馬券的にはノットを注視したい。

パドックが楽しみだ。

 

 ◎テイオーケインズ

 ◎ノットゥルノ

 ▲ウシュバテソーロ

 ▲スピーディキック

 △ペイシャエス

 注エルディクラージュ