2005年にカナダで、異性間の結婚と同性間の結婚を法的に同一のものとする『市民結婚法』が可決した日でした。
$みんなで学ぼう!?-同性婚
現在世界には、同性婚を認めている国や地域はいくつかあり、認めるかどうか、さかんに議論されている国も結構数あります。
当時の国際連合人権高等弁務官であったルイーズ・アルブールが大きな役割を果たした、2006年7月29日に採択されたLGBTの権利の擁護と国際人権法確立を目的とした「モントリオール宣言」に、性的指向による差別禁止や社会参加の観点から同性結婚や登録パートナーシップ制度の必要性が盛り込まれ、さらに同年11月6日から9日にかけてインドネシアで国際法律家委員会や前国際連合人権委員会のメンバーが中心となって議決された「ジョグジャカルタ原則」の第3条と第24原則においても、同性結婚の必要性が示唆されました。
欧州評議会も、これらの宣言や原則を重視していることからも、先進国、特にヨーロッパで認められていく方向にあるようです。
その一方、カトリック教会の総本山であるローマ教皇庁のヴァチカン市国などのように、同性結婚や異性装に否定的な見解を表明している国や団体なども存在することも事実ですが。

歴史的にみても、人類には異性愛者ばかりでなく同性愛者もいることは以前から知られていました。
しかし同性愛者の結婚について本格的に議論され始めたのは、ごく最近で1980年ごろからなのです。
法制度的に整備され始めたのは、世界的に見ても1990年代からというもの。

ただ、それ以前の社会でも、同性同士の間で、相互に性的な魅力を感じ、親密さや愛情をもって結びつく関係が無かったわけではなく、また、社会が、その二人の関係を特別な関係として承認していた歴史もありました。

歴史上で確認された最古の同性カップルは、古代エジプトの、カーヌムホテップとニアンカーカーヌムであると言われています。
彼らはエジプト第5王朝の時期にニウセルラー王の宮殿のマニキュア師の監督官の称号を共有しており、「国王の腹心たち」と記された墓に共に埋葬されています。

欧米などキリスト教社会では、同性愛は「自然に反する罪」とされ、嫌悪されてきた歴史がありますが、ヨーロッパでも、キリスト教が普及する以前には、同性愛のカップルが社会的に承認されていた記録は存在しています。

ただ日本では、現状同性結婚は認められていません。
日本国憲法第24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」と規定しています。
この規定が同性結婚を否定しており、同性結婚を認めるためには憲法改正が必要だという説と、この規定は、あくまで一般の婚姻について述べたものにすぎず、ことさら同性結婚を否定したものではないという説が対立するわけです。
同性結婚の合憲性に関する最高裁の判断はなく、家裁レベルでは戸籍法113条に基づく戸籍訂正を認める前提として、同性結婚は民法742条の「婚姻をする意思がないとき」に該当し無効であるという判例があるくらいでしょう。

どちらにせよ、同性結婚を法律上認めるためには、民法などの改正が必要ですが、それが不可能であるなら、パートナーシップ法など夫婦に準じる権利を同性カップルにも認める法律を制定し、夫婦としてでなく家族として籍の登録を認めることが代替策として考えられます。

実際に、最近では同性カップルの共有財産権などを、男女の内縁関係に類似した関係とみなし、ある程度は法律が保護するような判断を下した判決もあり、日本でも、同性カップルの権利が法的に全く無視されているとも言い切れないところもあるところまで来ています。