簡単に言うと

「潮が引いた広大な干潟に

田植えをする時に履く田植え靴を履いて

泥に埋まりそうになりながら

干潟の泥の上を這っているカブトガニの幼生(ちびっこ)を探して回る」

という地味な調査を定期的にやっています。

 

 

今日はお師匠様と二人で。

 

だだっ広い海の真ん中にいると

陸で耳にするようなガチャガチャした雑音はなく

とても静寂で、生き物の息遣いがダイレクトに耳に伝わってきて

非常に心地良いです。

 

ただ、風が強い日は風向きにもよりますが

すぐそこでお師匠様が喋っている声が全く聞こえない場合もあります。

お師匠様はとてもユニークな方なので

よく冗談をおっしゃいます。

そういう場合は私は聞き流さずに

冗談を聞こえるまで何回も何回も言わせたりして

申し訳ない事もあります。

(絶対聞きたいので、聞こえるまで何回もしつこく私は聞き返します)。

 

 

カブトガニの幼生は泥をかぶっていてパッとみ姿が見えないので

慣れるまではみつける事は難しいです。

大きな子なら分かりやすいけど、去年生まれたばかりの子となると激ムズ。

ちなみに上の写真には大きな子がいます。どれか分かるかしら?

中央手前の泥のかたまりの様なやつです。

 

 

その子を調べると、尻尾が殆どありませんでした。

外敵にやられたのか脱皮の過程でトラブルがあったのか分かりません。

脱皮を繰り返すうちにきっと再生してくれると思います

(この様な奇形はよくあります)。

 

 

上の写真とは別の子。

指の上でモゾモゾ動いて可愛いです。

 

 

今回は干潟の泥の性質も変わっていたし、幼生の分布にも大きな変化が見られました。

いても良い大きさの子がいなかったり、全体的に数が少なかったりと

漠然とした不安がよぎりました。

沖では海を埋め立て工場を作り

岸では海をバンバン埋め立てて、新しく道路や水路を作ったりしているので

そのような影響も少なからずあるのではないかと推察します。