先週、小児看護実習がありました。
お題は「乳児の身体測定とバイタルサインズ測定方法」みたいな感じです。

まだ生まれて間もないおこちゃまの身長を測ったり体重を測ったり頭の周りの長さを測ったり
胸囲を測ったり
血圧、脈、呼吸の数、体温とかを測ったりする方法を学びます。

私は実習前日、乳児のお人形20体を仰々しい箱から一つ一つ取り出し、ベッドに寝かしつけ
当日に備えました。

脇腹にコードをつなげ、機械に接続し、電源をONにすると
お人形さん達の心臓は拍動し、呼吸をし、体温を備えます。

ひぃぃ~生きとるがな 生きとるがな。
泣き出したりする子はおらんかのー?

(それにしても延長コードを鬼のように使用したよ・・)


そんな感じでいよいよ実習当日。

エリカ様がいます。
エリカ様、どうやら子供が好きらしくて笑顔です。
お人形相手に見せる笑顔はまさに母親の顔。
母性本能、合格。バキコは心でそう思っていた。

「じゃあ、バイタル測定やってみて」
と促すと
いきなり服を脱がし始める。

「あら、エリカ様、さっき、ほら、デモスト見たでしょ?
どうやってたっけ?
まず声をかけるのと、触らなくても測定出来るところからやっていくんだったよね?」
(要するに呼吸の数だとかは触ると泣いたりして増えるので
 なるべく触る前に、そっと見て測定する)

他の教員情報によると
エリカ様は他人からの指摘をひどく嫌うらしい。
自分に対する指摘をいっさい認めないらしい。
(何様?エリカ様!)
だけど、この時は素直だった。

「あ、そっか!」
とニコニコしてくれている。

「そうだ、エリカ様、この子に名前を命名してよ。
 そうしたら声をかけやすいよね。
 名前、何にしようか?」

と言うと
エリカ様、間髪入れず
「TOSHIKI。」

「としき」と言ったのだが、私にはTOSHIKIに聞こえた。
いや、そう言ったのだろう。

バキコ
「としき?う、うん、じゃあ、としちゃんやね?」

エリカ様
「いえ、としちゃんじゃなくて、TOSHIKIです!」

エリカ様が将来ご結婚されてお子様がお生まれになって
それが男の子だったらお名前はTOSHIKIにされるのかなって思いましたが
そこは突っ込んで聞くのはやめました。
それに、命名の由来も(想像はつくけど)知りたかったけど
聞きませんでした。

その後はエリカ様、お人形に「TOSHIKIちゃ~ん、こわくないからね~」
と優しく声をかけながらお人形の胸に聴診器を当てたり
血圧を測ったり体温を測ったりしてくれていました。

急性期実習とは違い、とてもほのぼのした実習でした(^^)
エリカ様とその周辺にもほのぼのとした空気が漂っていました。

めでたし めでたし。