<医療従事者向けネタ>

「呼吸状態が悪化し、気管切開後、酸素投与中の患者への気管内吸引」
というテーマで
気管切開をしてる人の吸引の仕方についての実技テストをしました。
他の教員と分担してみていったのですが
学生さんの人数が多いので全員を見るのに3時間もかかって少々疲れました。


気管内吸引用のデモの人形さんが何体もあり、テスト前も練習期間を長くとり
いたれり つくせり。

しかも驚く事に
人工呼吸器がどんな物なのかを目で見てもらうという目的だけの為に
呼吸器一台購入している。
呼吸器とはこんな機能があって、こんな風に患者さんとつながっていて・・・
という話ではなく、呼吸器ってこんな形をしているんだよ的な
学生さん達にとっては、美術館に飾られている絵を見ているような感じだと思う。
民間の病院で呼吸器一台買うのにどれだけ苦労してると思ってんだ。
そんなの臨床で見たら良いやんと思う私はせこい人間か。
そうだった、ここではそんな事一切考えちゃダメな所だったんだ。

しかも設定とか機能とかは勿論の事、アラームの止め方さえも
買った教員達が全く分かって無い。
電源を入れて電源が入っただけで
「作動点検オッケー!」
と言っている。
まぁ、それでいいのだろう。
ノープロブレム。
ドントマインド。
ザッツオーライ。

電源入れた時、アラームがビービー鳴っていて
教員さん達は「壊れてるんじゃないか」
とか言って大騒ぎしていたので、見かねて
「テストラングつけたら止まるんじゃないんですかね?」
と、さりげなく言ってみた。

止まったので「おおー!」と感動していた。

あっ、話がそれた。


で、最近の気管内用吸引チューブの袋の中には利き手にはめる用の
滅菌手袋が一緒に入っているんですね。
大学病院では見なかったけど
実習室で初めて見た。
こんな所でこんな立派なチューブ買って使って、これもどうかと思うけど。
あっ、また余計な事を思ってしまった。

学生さんはすぐ不潔にしてしまうので
新しいチューブをまた出して、おしげもなくどんどん使っている。
(も、もったいない・・)

で、学生さんはやはり学生さんらしく、清潔、不潔の操作がいまいちよく理解出来ていないのと
不慣れな点も当然あるので、テストだけど悪戦苦闘。
微笑ましく見ていたけど、一人だけ「やっちゃったー」みたいな人がいた。

チューブを床に落としたけどそれを拾って気管内吸引。
「床に落ちたものは絶対に使わなーい!」
「いいから、躊躇せずにそういう時は新しいチューブを使いましょう。」

そしたらその学生さん
「あのう、アル綿で拭いてもダメなんですか?」
きょとんとしている。

「それは絶対やっちゃあダメな事ですよ。何故なのか分かりますか?」

「えーっと。・・・・・?
 ふ、不潔?・・・・だから?」

っていうか、どうしてそう自信無さげに答えるのかが謎だったりする。