【NW基礎】IPアドレスの変換技術(NAT) | 若手エンジニアのブログ

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今日はこれまでに扱っていそうで扱っていなかった、NATについて書いていきます。

久しぶりにネットワークの記事です('ω')ノ

 

もくじ

1.NATとは概要前提メリット

2.NATの代表的な方法静的NATNAPT

 

1.NATとは

◎概要

NATは、Network Address Translation(ネットワークアドレス変換)の略で、

名前の通り、IPアドレスを別のIPアドレスに変換する技術である。

 

◎前提(2種類のIPアドレス)

「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類がある。

 

2つのIPアドレスの違いは、会社の電話に例えて考えてみると分かりやすい。

対応としては、

 ・グローバルIPアドレス:代表電話 

 ・プライベートIPアドレス:内線電話

となる。

 

代表電話は、お客さんなど外部の人に、自社の連絡先として伝える電話番号である。

対して内線電話は、会社の内部で、各部署や担当者に連絡をとるための電話番号である。

 

外部の人は、「zzz部署の田中さん」に連絡を取りたいと思った時に、

とりあえず代表電話に電話すれば、受付担当者が電話に出て、そこから田中さんにつなげてもらえる。

受付担当者から、田中さんへの連絡・電話転送には、内線電話が使われる。

 

 

IPアドレスも電話と同じように、

 グローバルIPアドレス:外部の人から見えている情報

 プライベートIPアドレス:内部的に、適切な担当(機器など)を判別するための情報

と考えることができる。

 

で、電話の場合は、代表電話と内線電話の中継を行ってくれるのが受付担当者だが、

IPアドレスの場合、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの中継を担うのが、

ネットワークアドレス変換(NAT)技術となるのである。

NATはたいていの場合、ルータに機能が組み込まれている。

 

◎NATのメリット(なぜアドレス変換を行うのか?)

そもそもIPアドレスが2種類存在している要因(アドレス変換が必要となる根源的理由)は、

IPアドレスの枯渇問題が大きい。

 

IPアドレスの数は有限である。

現代はIoTの時代でもあり、パソコンやスマートフォンはもちろんのこと、家電やその他の機器すべてに、グローバルIPアドレス(=外部から確認できる世界で一意のアドレス)を設定してしまうと、

アドレスがいくらあっても足りなくなってしまう。

 

グローバルIPアドレスの使用数を節約するため、

会社の「代表電話」のような位置づけで、

ネットワークの代表となるIPアドレス(グローバルIPアドレス)を、受付(ルータ)に割り振っておき、

ルータがネットワーク内部の機器や家電などの通信を中継するという手法(NAT)が取られるのである。

 

なおグローバルIPアドレスの取得にはお金がかかる。

従って、個々の企業や個人としても、グローバルIPアドレスの使用数を削減することには大きなメリットがある。

 

2.NATの代表的な方法2つ

一口にアドレス変換といっても、様々な方法がある。

代表的な方法は以下がある。

 

 ・静的NAT

 ・NAPT

 ・Twice NAT

 ・マルチホームNAT

 ・双方向NAT              など。

 

この記事では、特に基本である静的NATと、よく使われる手法であるNAPTに絞って紹介する。

 

◎静的NAT

最も基本となるアドレス変換方法。

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを、1:1に紐づけて変換する。

「静的」という名前の通り、あらかじめ対応するIPアドレスを設定しておく必要がある。

また、ネットワーク内部に複数の機器があったとしても、一度にグローバルIPアドレスを利用できる(同タイミングでインターネットに接続できる)のは1つだけであることに注意したい。

 

◎NAPT

NAPT=Network Address Port Translation(ネットワークアドレス・ポート変換)は、

IPアドレスに加えて、ポート番号も、アドレスの変換対応づけに利用する技術である。

IPマスカレードとも呼ばれる。

 

プライベートIPアドレス+ポート:グローバルIPアドレス+ポート=n:1 の対応づけができる。

静的NATでグローバルIPアドレスを一度に1つしか使えなかった問題を解決しており、家庭用ルータでも広く使われている。

 

 

最後駆け足になりましたが、今回は以上!