今回の記事はこれまでと毛色を変えて、クレジットカード決済について学んでみたい。
SESの今の現場で、金融関係の企業のシステムに関わっているので、
現場でやっていることの理解を深めようと思う。
今回は、カード決済で関係する人たち(カード利用者、カード会社など)の関係性を整理してみた。
もくじ
前書き~そもそもクレジットカードとは~
クレジットカードとは、
買い物の代金をまとめて後払いするためのカード。
…というのが、勉強するまでの、私がクレジットカードに抱いていたイメージ。
実際その通りではあるものの、
「なぜ」後払いが可能なのか?まで突っ込んで考えたことは無く、
日々何となくクレジットカードを使っていたなあと思う。
考えてみれば、クレジットカードを使って何かを購入をしても、
その場でお金を取られるわけではない。
購入した1か月後などに、「合計○○円」という請求が来て、
さらに引き落とし日になってようやく現金が引き落とされる。
簡単に言うと後払いである。
でも、店の人とは知らない者同士であることがほとんど。
知らないお客から「これ買いまーす!でも料金は今払いたくないから、後払いで来月末に」なんて言われたら、
普通お店側は「実際は払わず、逃げられてしまうのでは?!」
となり、売買取引は成立しないはず。
それでも、カード決済による「後払い」を疑われることなく、決済が成立するのは、
「このお客の買い物の代金は確かに支払われるはずだ」という確からしさ、
言い換えれば、信用が存在しているから。
でも信用は、お客が自ら、「俺正直者やから安心して」と言うから成り立つのではない。
絶対的な信頼のある誰かが、そのお客が信頼できる人であること、
そして何より、確実に代金が支払われることを保証してくれるからこそ、安心して後払いを受け入れることができる。
では、絶対的な信頼のある誰かとは??
ここでクレジットカード会社が出てくる。
カード会社は、客の信頼性を保証するために、
いわゆる支払い能力や、客の身元などを確認してくれる。
この客はヤバいヤツ、と判断すると、その客のカード利用はできないように、カード会社が手配してくれるのだ。
つまり、カード会社のクレジットカードを使えるということ自体が、
「カード会社から認められた人」という保証につながり、お店と客の売買取引が成立する。
カード会社は、ある意味お店と客の信用を仲介していると言える。
前置きが長くなったのでまとめたい。
クレジットカードは、後払いを確かに行ってくれるはずだという「信用」をもとに、成り立っている。
その「信用」は、カード会社が保証することにより、存在できるものである。
カード決済の登場人物と関係性
基本の関係性
これまでの話をもとに、カード決済における登場人物の関係性を整理してみたい。
カード決済には、大きく、
(1)クレジットカードの利用者(会員)
(2)カードを使えるお店(加盟店)
(3)カードを発行する企業(カード会社)
の3つの登場人物が出てくる。
実際の取引の流れは以下の通り。
①会員が加盟店で商品などをカードで購入する。
②加盟店は、売上データをまとめてカード会社に送り、カード会社は売上代金を加盟店に支払う。
この時、正確には、売上代金から手数料を引いた額が加盟店に支払われる。
③カード会社は、加盟店の代わりに、自らが会員に代金を請求する。
④会員は、カード会社から請求を受けたカードの利用額を、カード会社に支払う。
図からも分かる通り、会員と加盟店の間には、金銭取引は発生していない。
カード会社は、加盟店に対して売上代金を支払うことで、
会員への代金請求権(商品購入の対価として金銭を請求する権利)を、
加盟店からもらい受ける(譲渡される)形になる。
会員視点でいうと、加盟店で買い物をしても、
直接現金を支払う相手が加盟店でなく、カード会社になるのは、以上のような権利の譲渡が発生しているためである。
(このあたり民法の契約・権利・義務らへんを理解してると、すごくスッキリしますw けどそこまで書くと長くなるので割愛。気になる方は調べてみてください)
イシュアーとアクワイアラー
さて。先ほどの3者だけで、カード決済が完結していたら楽なのだが、
カード会社は必ずしも1社がすべての業務を担当するとは限らない。
カード会社は大きく分けて、
・会員に関する業務を行う会社(イシュアー)
・加盟店に関する業務を行う会社(アクワイアラー)
の2種類存在する。
ざっくりとしたイメージは以下の図の通り。
大きなカード会社は、イシュアー、アクワイアラーの役割を1社で兼任していることもある。
兼任でない場合は、イシュアーの役割を持つカード会社と、アクワイアラーの役割を持つカード会社が契約を結ぶことで、
会員・加盟店も含んだ4者間での取引が行われることになる。
おわりに・参考文献
今回、SESの現場が金融関係だからという理由で勉強し始めたが、
普段何気なく使っているクレジットカードの仕組みをきちんと理解すること自体、とても有意義でおもしろかった。
(SEやってるけどやっぱりここらへん文系…)
まだ勉強し始めたところなので、今回触れられなかった国際ブランドや、プロパーカード・提携先カードなどなど、今後学んでアウトプットしていきたい。
参考文献:
・山本正行『カード決済業務のすべて―ペイメントサービスの仕組みとルール 』株式会社きんざい、2012年
・「3分で分かる!クレジットカードってどういう仕組みなの?今さら聞けない、カードのメリットと正しい使い方」(セゾンカード サイト)
・「クレジットカードとは?仕組みから選び方までクレカの基礎知識を徹底解説!」(三井住友カード サイト)