なんか今ふと思い出したのですが、もう25年も前の話。
電子音楽のコンテストみたいなのに応募したら
フェスで演るからどうぞお越しを、と言われホクホク行ったんです。
ワイオミングに。
まぁ〜何にもないところでしたが、とてもとても景色の美しいところでした。
で大学とかは白人ばっかりなんですが、元々はインディアンの土地でね。
今でも両者全然混じらず、居住地区などとってもくっきりと分かれちゃっているし
レストランとかでも両者の間の空気がすごーく冷くって
かなり敵対しあっている感じだったのでちょっとびっくりでした。
しかも私のようなアジア人なんてだーーーれもいないし、
見た目からして私はすごく浮いてました。
さてその頃、私は運動といえば日曜日に自宅からちょっと行ったところの公園で
太極拳やってました。リラックスできるし、気功と合わせた感じで本気で呼吸とか整えると
ゆっくりな動きなのに足の裏からさえ汗が出るほどになるので気に入ってたんです。
あれから引っ越してやらなくなってしまい、ちょっと残念です。
で、ワイオミングでもフェスの合間に車で近場の山に行きました。
ちょっとした峠みたいなところに駐車場があったのでそこに車を停め、
そこから少しばかり歩いて遠くまで見晴らしのきく崖まで行きました。
歩いていると山肌に可愛らしい春の花の群生が絨毯の模様みたいに繰り返しちりばめられて広がり本当に綺麗でした。
遠くの山々は青々としてスキっとした空気が美味しかった。
それで、ここで太極拳とかやったら気持ちいいかな?
山が神々しかったので奉納という感じでやってみよう、と思い立ったわけです。
その場にいるのは私と夫だけで、彼は太極拳はやっていなかったので
私だけ四方にお辞儀してから太極拳をやり始めました。
ああやっぱり気持ちいい〜とのんびりやってたのですが、
だんだん呼吸が整って来た感じの途中で、ふ〜っと手を自分の中心から丸く90度開く時
遠くの山から、もんのすごく怒ってる冷たい視線を感じて「はっ」としたのです。
とても口で表現するのも難しい感じなのだけど、とにかく冷くて怒りに満ちた感じ。
拒絶されている。
でもそれはとても遠い山の谷からのもので、
人でも動物でもなく、インディアンの神様なのか?そういう存在のような気がしました。
ゾッとして太極拳を辞め、もう一度そっちを見たけど、怒ってる「気」みたいなのはまだそこで
こっちを見てます。しかも視線は1つだけじゃなく、いっぱい見てる感じ。
夫に「あの、あそこから、ものすごく怒ってこっち見てる気を感じるんだけど、どう思う?」
と聞いてみたら、えっ?とよくよく見据えた後、笑い飛ばされるかと思いきや
「うん、なんか知らないけど、すっごく怒ってる感じがする。え、何あれ」とか言うので
ますますゾッっとして
帰ろう!と一目散に逃げ帰りました。
行きはあんなに綺麗だった山道も、ちょうど日が暮れ始め、どんどん灰色になっていって
本気で怖かった〜と印象に残っています。
その後「千と千尋の神隠し」で千尋が白と初めて会うシーンで橋の上で急に日が暮れるシーンを見た時もあんな感じだったな、と思い出したこともありました。
こっちって日本と違って丘ぐらいの頂上には名前さえついていないけど、
やっぱりアメリカといえど山は神聖な場所なんですね。
あの時はまだ子供も授かる前だったのでおっかさん的な肝も座ってなかったし。
ただ逃げ帰るんじゃなくて、しっかり自己紹介して「いやいや、怪しい奴じゃありませんから!」って敬意を表しつつ弁解ぐらいはしておくべきだったのではという気持ちも今はあります…。




