第1話 お嬢との出会い
理「お嬢、どこ行くんですか。」
「散歩。理佐はお父さんに呼ばれてたでしょ?着いてこなくて大丈夫だから。」
理「いや、でも、」
「はぁ…いつもの道だから、話し終わったら迎えに来て。」
理「了解しました。すぐ飛んでいきますから。」
「はいはい。行ってきます。」
理「行ってらっしゃい、お嬢。」
小林由依、名の知れた組の娘。
過保護な親を持ち、そのお陰で過保護なお世話係まで出来てしまった。
「はぁ…もう少し落ち着いてくれたらいいんだけど。」
お父さん、理佐、私もう高校二年生だよ。
(15分後)
………なに、あれ、
河川敷の下、ボロボロの女の子、?が座っていた。
「ねぇ、大丈夫?」
『…私の事なんて気にかけんでよか。』
「方言だ。どこ出身なの?」
『………福岡、』
「福岡かぁ、やっぱりラーメン美味しい?」
『ここよりは美味か。』
「ふふ、そっか。隣、座ってもいい?」
『…なんで私に構うん』
「捨てられた子犬みたいだから。」
『そんな可愛いもんやないやろ、』
「私には可愛く見えるよ」
「ねぇ、おうち帰らないの?」
『…帰る家、ない、』
「ふーん。」
「家来る?」
『これって持ち帰りってやつ?』
「生意気、そう思ってもいいけど?」
-ひかるside-
綺麗な人やった。
綺麗な制服を身にまとい凛とした背筋、それに見合わないほどのフラットな対応に可愛らしい笑顔、心奪われるのは簡単やった。
"生意気、そう思ってもいいけど?"
この人に残りの人生を捧げたいと思った。
私の全てを捧げたかった。
『持ち帰られてあげてもよか、』
小「生意気な子。ほら、行こう。」
差し出された手を握ろうとした、その瞬間
理「お嬢!!!!!!」
小「おお、理佐。」
理「…そちらの方は?」
小「今拾ったの。ねえ君名前は?」
『ひかる、森田ひかる。』
小「ひかる。今日からうちの子にしようと思って。」
理「お嬢は危機感が無さすぎます。」
「お嬢に無害という証拠がない限り私は認めませんよ。」
『お嬢、?』
小「あ、ごめん挨拶してなかったね。私小林由依、よろしくね。」
理「また勝手に名前を教えて、」
小「もー理佐はいちいちうるさい!!」
理「私はお嬢を心配して!!!」
『ふふ、あはは、私の事連れてってくれませんか、お嬢。』
小「うん、連れてってあげる。ほら理佐行くよ。」
理「…私はまだ認めてないですからね。」
『…それでよか、』
小「ほら!ひかる!いくよ!!」
理「あ、お嬢!!!!手は繋がないでくださいよ!!」
「………私は!?私の手は!!?お嬢!!」
小「もううるさい!!!理佐は黙って着いてきて。」
あ、しゅんってなった。
なんなんだこの人たち。ほんとに組の人間なんかな。
小「着いたよ。」
『…ふふ、本物やね、』
小林と書かれた表札。和を代表とした立派な家。
ガラガラ
「「「「「お嬢!お帰りなさい。」」」」」
小「ただいま。子犬拾ってきた。」
理「立派な子犬だこと…。」
小「なに?」
理「いえ何も。」
「あ、組長…。」
組長「そこのお嬢さんは?」
小「私が拾ってきたの。」
組長「そうか、入りなさい。」
『おじゃましまーす』
理「口の利き方には気をつけな。ここは組の敷地内、ですよ。」
『…すみませーん。』
組長「理佐。」
理「はい、」
組長「由依を部屋へ。」
理「はい。」
「お嬢、部屋へ行きましょう。」
小「はいはい。じゃあひかるまた後でね。」
頭を一撫でし、お嬢は理佐さんに連れられ行ってしまった。
組長「さぁ、部屋に入りなさい。」
『失礼しまーす。』
-続く-