"幼馴染"になって早18年。


私森田は受験を控えた高校三年生です。


そして幼馴染というのが
21歳大学生のほのちゃんです。


"3歳差"


傍から見れば"たった"3歳差なのかもしれない。
でも私森田にとって"3歳差"というのはどデカい差というのが現実で。
ただでさえ身長差すごいんに、年の差まであったらほのちゃんの恋愛対象になんかなれん。って悩み始め3年。


「はぁ…」


松「まーた、幼馴染のほのちゃん?のこと考えてんのー?」


「だってさぁ、私なんてどう頑張ってもほのちゃんの恋愛対象にはなれんかなぁって」


松「そんなの分かんなくなーい?」
「世の中"絶対"なんてないんだからさ。」


なんて親友の言葉に励まされ前を向いた。


松「まっ!そう重く考えなさんな。今日放課後会うんでしょ?」


「うん、ほのちゃん家でお泊まり会!」


松「じゃあそんときに探ってみなよ〜。好きな人いないかーとか、ひかるが恋愛対象に入るかとか。」


「簡単に探れたらこんなに悩んでませんよーっ。」


松「たしかに。笑ま、頑張りなされ」


「ありがとう!」


こうして友から背中を押され
辿り着いたほのちゃんの家の前。


「ふぅー。」


大きく深呼吸をして心を落ち着かせる。


ピンポーン


"はーい"


なんて声が機械越しに聞こえ、
さっき落ち着かせたはずの心がまた騒ぎ出す。


ガチャ


田「ひぃちゃん!1週間ぶり〜笑」


そうだ、1週間前偶然帰宅時間が重なり家まで一緒に帰ったんだった。


「1週間ぶり〜!」


田「今日お母さんたち旅行で居ないからほのと二人きりやけど大丈夫〜?笑」


「ぜーんぜん大丈夫!おばさん達にも会いたかったけどまた会いに来る〜!」


田「あ、そうしてあげて!お母さんたちもひぃちゃんに会いたがってた〜笑」


"ふふ"なんて笑みを浮かべたはいいものの。
どうしよう。え、ほのちゃんと2人きり?!
前までは遊びに来た時おばさんたちがいたからまだ理性保ててたけどおらんってなったら私、保てるんかな。


田「…ひぃちゃーん?聞いてる〜?」


「んえ!?なに!?」


田「もう!ちゃんと聞いててや〜。笑」
「おふろ!どっち先入る?」


「え、あ、さ、先入っていい!?」
「部活終わりで汗かいちゃってさ!」


田「ん!ええで!!じゃあその間ほのはご飯でも作っとくな?」


「ありがとう!!」


よし、とりあえずお風呂はいってこの後どうするか考えよう。


-お風呂-

んーとりあえず、この後ほのちゃんお風呂入るよね……お風呂上がりのほのちゃんやけに色っぽいんよなぁあ。

寝る時…いっつも同じベッドで寝てたけど、
今日も、ね、寝るんかな。


「森田、我慢しろ、我慢だ我慢。」


田「何独り言言ってるん〜?笑」


「うえ!?び、びっくりしたぁ。驚かせんでよー!!」


お風呂のドア越しに見えるほのちゃんのシルエット。服、置きに来てくれたんかな。


田「だってなんか一人で話してるんやもん、声掛けずらいやろ〜笑」


「あ、ごめん。笑由依さんのが移ったかな〜笑」


田「由依、さん?」


「あ、バイト先の先輩!すっごい優しくて可愛いの。私の憧れ〜」


田「そうなんや〜、あ、ご飯作るの途中やから戻るね!」


「うん!ありがとう〜」


…なんかほのちゃん、怒ってた?
気のせいか。


-リビング-

「ほのちゃ〜ん、上がったよ〜!」


田「おかえり〜!ふふ、ひぃちゃんからほのと同じ匂いがする〜」


!?!?!?
ほ、ほのちゃん!?
だ、抱きしめられるなんて予想してなかったぞ。
頑張れ森田。普通に普通に。


「そ、そりゃ〜同じシャンプーとか使ってるけん〜笑」


田「それもそうやな!笑」


"ほな、入ってくる〜"


なんて呑気に部屋を出てったほのちゃん。


もぅ〜、こんなに悶々とさせやがって!!!


「どうしたらいいの。」


あ、また、口に出してしまった。
ほんとに由依さんに影響されてしまってるな。


-45分後-

田「ひぃちゃ〜ん!上がったよー!」


「おぉ、おかえ…り、」


田「めっちゃ顔赤いで?大丈夫?」


「だ、大丈夫!!それより!ご飯!食べよ!?」


田「そうやな!髪乾かすんたまには後ででええか〜!」


「あ、乾かすの忘れてた。」


田「ならほのが乾かしたる〜!」


「いいの〜?ありがとうございます〜」


田「ふふ、ひぃちゃんここきて。」


ひょこっとほのちゃんの足と足の間に座り
髪の毛を通して感じるほのちゃんの温もりを存分に噛み締める。


田「ひぃちゃん髪伸びたなぁ〜」


「そう〜?」


田「うん!3年生の初めの時は顔のとこくらいやったけど今は肩くらいあるもんなぁ」


「まぁちょくちょく切っとるけどね〜」


田「ふふ、かわええ。」


ちょ、ほんと突然言うのずるいよ。


「ほのちゃんの方が可愛いよ」


私がそう口に出すと静かにドライヤーを止めこちらをじっと見つめ出したほのちゃん。


え、私なにかまずいこと言った?


田「由依さんって人より、可愛い?」


「うえ?なんで由依さん出てきたと?」


田「だって、ひぃちゃん、由依さんの話する時楽しそうな声してたんやもん。」


え…もしかして、ほのちゃん、嫉妬……??


「嫉妬、したと、?」


田「…嫉妬、したかもしれん。」


なっ、可愛すぎでしょ!!
これは、もう、我慢できないよ。


ほのちゃんの方へ向き膝立ちをして、
くいっと上げたほのちゃんのあご。


田「…ひぃ、ちゃん?」


「ひかるって呼んで」


田「…ひかる?」


「わたしね、ずっとほのちゃんのことが好きでした。」


そう伝え柔らかそうな唇にキスをした。


田「んっ」


「ごめん、勝手に、か、帰るね。」


私、何してんだろ。
もう絶対に嫌われた。
ほのちゃんに合わせる顔、ないや。


ぎゅっ、


左手首に感じた誰かに掴まれた感触。


田「こんなことしといて逃げるん?」


「あ、いや、」


田「返事、聞きたないん?」


「返事…、きき、たい。」


うそ、ほんとは聞きたくない。
だってこれを聞いちゃったら、
ほのちゃんとはもう幼馴染じゃいられない。
友達にも戻れなくなる、


田「ほのも、ずっーと好きやった。」


「………え?」


田「だーかーら、ほのもずっとすきやった!」


「え、ほんとに!?」


田「嘘でこんなこと言わん…、」


「じゃあ、付き合ってもらえ、ますか、」


田「はい、お願いします。」


幼馴染から、恋人、
ほのちゃんと恋人になれたんだ、


「ほのちゃん!!!」


ぎゅっ


田「わ!急に抱きついてきたら危ないやん〜笑」


「ずっと大好きだよ、」


田「ほのも、ひかるのこと愛してる。」






-3年後-(森田の頭の中)

私は21。ほのちゃんは24。

ねえほのちゃん、結婚しよう?