今日もまた偽りの笑顔を顔に張りつけ学校へ行く
何が楽しくてあんな所へ行かなきゃ行けないんだろう。そんな思いがコップから溢れた水のように頭へ浮かびだす。
「理佐ちゃん、おはよう〜」
「渡邉さんおはよ〜!!」
理「おはよう!」
「ねぇ渡邉さん昨日のノート写させてくれない?」
理「うん、いいよ!!」
本当は人に私物を触れるのは嫌。
気軽に声をかけても欲しくない。
でも、そんなの、学年トップでみんなからの人気者である渡邉理佐は言っちゃいけないんだ。
だから今日もまた偽りの私で過ごしていく、
そう思っていた。
土「おっ、渡邉いいとこにいんな。」
「2年のお前に頼むのどうかと思うがお前しかいなんだ。3年の白石って知ってるか?」
白石麻衣、この学校で1番美人でそして、1番問題児の先輩。
理「はい。」
土「渡邉!頼む!あいつを真面目にしてくれ。渡邉なら行けると思うんだ。」
…そんなの無理に決まってんじゃん。
理「…分かりました。」
土「ありがとう、屋上にいると思うから言ってやってくれ。守屋先生には俺から言っとくから授業は気にすんな。」
理「ありがとうございます。」
はぁ、なんでこんな面倒なことに巻き込まれてしまったんだろうか。
でも、私白石先輩のこと見かけたことないな。
-屋上-
ガチャッ
うわ、本当に空いてるし。
理「失礼します。白石先輩はいらっしゃいますか。」
「んんっ〜?あ、んーと、確か〜。理佐ちゃん、だっけ?」
そう言って背伸びをしながら振り向いた彼女は
とても綺麗だった。
理「っ…きれい、」
「ん?ふふ、ありがとう。」
緩められたネクタイ、栗色の柔らかそうな髪の毛
、赤ちゃんのように真っ白な肌、腕めくりされたシャツ。あぁ、全部が様になって、どんどん目が離せなくなる。
理「…あ、2年1組の渡邉理佐、です。」
「お、当たってた!やったぁ。」
理「白石先輩で間違いないですか、?」
「うん、正解。」
「ねぇ、隣おいでよ、」
ぽんぽんと隣に座れと託され恐る恐る隣へ座る。
理「失礼します、」
「ふふ、ねぇ理佐ちゃん」
理「はい、…えっ」
そっと頬を包み込まれ気づいたら唇に残る熱。
そしてぎゅっと包み込まれた身体。
頬と頬が触れ合う。
いい匂いに包まれて私はそっと力を抜いた。
「頑張ったね。私の前では普通でいいんだよ」
頑張ったんだ、私、ずっと、頑張ったねって言って欲しかったんだ、あぁ、やばい。人前で泣きたくなかったのに。拭いても拭いても溢れちゃって止まらないや、
「我慢しなくていい。甘えていいんだよ。」
理「しらいしっ…、先輩、」
それからどれくらい経っただろう。
理「すいません、シャツ濡らしちゃっ、た」
「ふふ、いいよ〜別に。」
あぁ、この笑顔好きだ。
「ねぇ、なんで屋上に来たの?」
理「…」
なんで屋上来たんだっけ。
理「………あっ!!!白石先輩を真面目にするために来ました。」
「つっちーか…」
理「こんな事言うのもあれですけど、真面目になってください、」
「ふふ、分かった。」
理「え!いいんですか?」
「その代わり、私と付き合って?」
理「!?え、私、がですか、?」
「うん、理佐ちゃん以外に誰がいんのよ」
理「えっと、はい。お願いします。」
「ふふ、毎日一緒に帰ろう?」
理「はい。」
「それから、お弁当も一緒に食べたい。」
理「はい!」
「私結構めんどくさいけど大丈夫?笑」
理「それ言ったら私もめんどくさいですよ。」
「ふふ、じゃぁいっか!」
理「はい!」
「よーし、じゃぁ授業行くかぁあ!!!」
理「はい!行きましょう!!」
「………やっば、」
理「どうしたんですか?」
「教科書とかなんも持ってきてない。」
理「えぇ…」
「じゃぁ授業受けるのは明日から!」
理「もう…。笑」
「明日ちゃんと受けてくださいね。」
「はーい。」
「ねぇ理佐ちゃん、」
理「はい?…っん、」
「今2人だけだし、シよ?」
理「…先輩が誘いましたからね。」
いつもはしっかりと閉めているネクタイを緩め
そっと彼女を押し倒した。
「沢山して、」
ずっとつまらなかったんだ、
でも貴方と出会えて世界が変わった。
理佐ちゃん、愛してくれてありがとう。
理佐ちゃんとの恋の始まりは
私の終わりへのカウントダウンの始まりだった。
自分でもよくわかんない短編だな。。