「友梨奈ちゃん。ほの辛い。」


そんな連絡が来た。
私は慌ててほのに電話して家に来いと伝えた。
そしたら数十分後泣きながら家へ来たほの。


平「ほの、お疲れ様」

私はそっと肩を抱き寄せる。
私にできることは限られてるからできることを
精一杯やろう。


「友梨奈ちゃん、もう辛い、」
「ファンの皆さんになんも出来ひんの辛い。みんなが離れて言っちゃうのが辛い。友梨奈ちゃんが居なくなった欅坂には価値がないんかな、?」


悲しそうに悔しそうに呟いたほのは
昔の私にどこか重なって見えた。


平「価値ないなんて絶対ない。」


「…っ、でも。」


平「今は休んだり考えたりする時期なんだよ。」


「…欅坂は休んでばっかや、他の方達はどんどん進んでってるのにうちらは止まってばかり。」


平「いいじゃん。」


「え?」


平「止まってるだけで後ろへ下がってるわけじゃないんだから。」
「ふと立ち止まって考えることも大切だよ。」


「…」


平「立ち止まってから歩き出す。」
「欅坂は何度も立ち止まってその度に皆で考えて進んできた。だから、大丈夫だよ、ほの。」


「友梨奈ちゃんは、どうして、ずっとセンターで立っていられたの?」


平「皆が居たから」


「え?」


平「皆が居たからどんなに辛いことも苦しいことも乗り越えられた。確かにさセンターに立ってて色んな批判もうけたしもう無理って思うこと何度もあった。でもその度に理佐だったりこばっだったり、ほのだったり、皆が助けてくれて、皆の笑顔を見るだけで頑張ろうって思えたから、だから、私は欅坂のセンターでいられた。」


「…」


平「大丈夫。欅坂はこれからまた走り出す。私が居たから見れなかった新しい欅坂を沢山見せてよ」


「…ちゃんと見ててくれる?」


平「うん。私嘘つかないよ。笑」


「…エイプリルフールの時ついてきたやん。」


平「それは、だって、ほら、嘘ついていい日だし?!」


「ふふ、せやな、」


平「そうだよ!…大丈夫だよ。ほのの周りはたくさんの仲間で溢れてるから。」

「うんっ…ほの頑張る。」


平「うん。頑張れ。応援してるよ」


「友梨奈ちゃんも頑張ってな?」


平「うん、頑張る笑」

ぐぅっ〜


平「あ、ごめん。」


「ふふ、お腹すいたん?笑ほのがなんか作ってあげる。」


平「やったぁ、じゃぁハンバーグ作って?」


「いいよー!待っててなぁ」


平「はーい!」



ほの、私はもう欅坂のメンバーじゃないから、
ほののこと隣で支えることはもう出来ない。
でも、今度は一歩後ろから支えるから。
前を向けなくなって振り返った時ほのが安心できるように後ろから支えるからさ。
頑張ってよ、私が見たかった景色を見てきてよ。



友梨奈ちゃんはもうメンバーじゃない。
そう分かってるけど、どうしようもなくなった時会いたくなるのはやっぱり友梨奈ちゃんやねん。
友梨奈ちゃん。今度は隣からじゃなくていいから、ほののことずっと見ててな?
友梨奈ちゃんが見たかった景色、
絶対見に行くから。