私は、以下に記す言の葉以上に優れた愛を知らない。
愛するとは、若く美しい者を、好んで手に入れたがったり、優れた者をなんとか自分の物にしようとしたり、自分の影響下に置こうとすることではない。
愛するとはまた、自分と似たような者を探したり、嗅ぎ分けたりすることでもないし、自分を好むものを喜んで受け入れることでもない。
愛するとは、自分と全く正反対に生きているものを、その状態のままに喜ぶことだ。
自分とは、逆の感性を持っている人をも、その感性のまま喜ぶことだ。
‘’漂泊者より‘’
これはニーチェが汎ゆる人間に遺した警鐘なのかとさえ想う。
愛することは、欲することではあるまいに。
と。