旅続き | 桜木涼介オフィシャルブログ「桜木涼介のブログ」Powered by Ameba

旅続き

前日何時に寝たか覚えてなかったが6時に起きた。トイレに入ってタバコ吸いながら窓から外を見る。もうみんな動き出していた。道端で真っ黒になった野菜を切っている。きっとホコリだろう。とにかく空気が悪いし道で切ったらそりゃあねぇ。そしてまた寝た。
8時起床。ちょろちょろ出るシャワーを浴びて、ミネラルウォーターで歯を磨き準備完了。
今日の目的地は決まっていた。さぁ出発だぁ~ と勢いよく出たもののホテルにパスポートを忘れ慌てて戻る。いやぁ焦った。改めて出発。
移動は初のバイタクに乗ってみた。単純にバイクのタクシー版ってことです。もちろん1人しか後ろに乗れないので2台で。ここで和也のバイクが見えなくなり不安。通信手段がないので離ればなれになるとめっちゃ怖かった。まぁ結局着けたけどおっちゃんがバイタクやってるのに全然場所知らない感じで行ったり来たり、あっちだこっちだと言ってやっと。
まず向かったのは統一会堂(旧大統領官邸)。1975年解放軍の戦車がこの官邸の鉄柵を突破して無血入城をはたし、ベトナム戦争は終結した場所。庭はキレイに整備され広い。中は内閣会議室、応接室や、上階には大統領とその家族のための部屋や映画室などがあり、地下には秘密の軍事施設みたいなよくテレビで見るような司令室や暗号解読室などアメリカと連絡を取り合った放送局が残されていた。上階から外を眺めるとホーチミン市内を一望できた。入口の鉄柵の向こうに何万もの兵士がつめよせていたんだと思うとここにいた人はどんな気持ちでここに立っていたのかと思う。
お腹すき近くのカフェへ。おれはパンと目玉焼き。それとチャーダーを飲む。チャーダーとは日本でいうお茶。すごく美味しかった。するといきなりスコールが。天気良かったのに一転大雨。近くにいた人も店で雨宿りし店内は人で溢れた。2、30分降り続いた。
次に向かったのは戦争証跡博物館。ベトナム戦争で実際に使われた戦車や大砲、爆弾などがあり、館内には写真やパネルに枯れ葉剤による被害状況、記録が載り、戦争の傷跡が生々しく展示されていた。ほんとに目を背けたくなるような、人間が人間に何故こんなことをするのかと信じられなかった。人が人のようではない姿。でもこれが戦争というもの(者)が引き起こす結果なんだと知らしめられた。外に、拷問の島と呼ばれたコンソン島の牢獄「トラの檻」というものが復元されていた。当時この檻の中で南ベトナム政府に反対する人々に残酷な拷問が行われていた。外は汗が吹き出るほどの暑さなのに中に入ると涼しささえ感じるほどの異様な空気が流れていた。それに加え圧迫感がありその場で立ち尽くしてしまう、というより動けなくなる。圧倒された。2人無言で博物館を後にする。

ベトナムという国は何年にも渡り色々な国に介入され植民地にされ、北と南で別々にいいようにされ、その度に内紛が勃発し多くのベトナム人が犠牲になった。それでも中国でもフランスでもアメリカでもロシアでもベトナム人の力で圧倒し独立したこの国は、沢山の傷が残っている分強さも半端じゃないのだろう。国民性は日本人とは全く違う。同じアジア人だけれども、今の日本人の何倍もの強さを感じる。