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プリパラ夢!! ~二次創作~

プリパラの二次創作小説を書く。更新は、毎週月曜日くらいにしていきたいと思っている。思っているだけ。

※このブログには、二次創作、オリジナル設定、キャラクターなどが登場します。

 私立パプリカ学園。小中一貫性の学校で、厳しい校則の元に多くの優秀な生徒が通っている。

 その、パプリカ学園中等部一年A組所属、雨宮は、授業を上の空で聞き前々席で揺れる茶色いポニーテイルを眺める。

 彼女は、南みれぃ。茶髪ポニテに黒縁眼鏡。品行方正、才色兼備、文字通り完璧で美しい女性だ。それがゆえに、高嶺の花なのだ。

 雨宮は彼女と同じ風紀委員に所属しているも、その距離は縮まず、今日も今日とて悶々とした思いを抱きながら、彼女の後姿を眺める。

「それじゃぁ、ここ、わかる者……雨宮、答えろ」

 授業を進める教師からの不意打ち攻撃を食らい、雨宮は慌てて立ちあがり答える。

「え、分かりません――あッ」

 良く考えもせずに、分かりませんと発言したとことに対しまずいと思うも、すでに遅く、先ほどまで黒板を見ていた委員長がこちらをキッと睨む。

 教室中が静かになり、皆のに視線がこちらに向けられる。委員長が席を静かに立ち、こちらへ一歩、二歩。ポケットから何やら紙を取り出し、パチンと音を鳴らして額にそれを叩きつける。

「私立パプリカ学園校則第2306条、考えもせずにわからないと言ってはならない!! 通算5枚目の違反チケットよ。雨宮、貴方も風紀委員なのだから、しっかりしてもらわないと」

「……はい、すみません」

 貴方に見惚れていたせいだなんて言えるわけもなく、渋々違反チケットを受け取る。

   ☆

 昼休み、彼女は購買へ行く。買うものはだいたい決まっており、その殆どを甘いものが占めている。
 そんな彼女の後姿を追いながら、雨宮も購買でパンを購入し一人、昼食を取る。

 彼女は、いつも昼にはどこへとも消えてしまう。教室にも中庭にも居ない。屋上は勿論封鎖されている。彼女がどこへ行っているのかわからない。

 もしかしたら、彼氏と昼食を取っているのかも知れない。そんなことを考えながら、パンを食べ、机に置かれた違反チケットを眺める。

 そう言えば、違反チケットを190枚近く貰っている小学部の生徒がいた筈だ。確か名前は、真中らぁら。見ている感じ、さほど仲が悪いようには見えない。むしろ、友人関係がある様にも思える。

 そうだ、きっと友達と食べて居るのだろう。残りのパンを口に押し込み、机の中から名簿を取り出し、各生徒のチケット保持数の確認をする。

 そこに見慣れた名も見つける。東堂シオン。中学生囲碁チャンピオンで、学園新聞でも取り上げられたことがある。確か、C組だったはずだ。あの東堂でも1枚のチケットを保持している。その現場に居合わせたが、確かあの時東堂は詰め碁をしていた。

   ☆

 放課後、風紀委員の仕事である下校チェック。中等部の生徒は部活動があったりで帰宅時間がバラバラだが、小学部には無いので、この時間帯は小学部のチェックをする。

「さようなら」などと優しく声をかける委員長。

 すると、そこに見慣れた背の小さなツイン御団子頭が見える。

「あっ、南委員長!」

「真中さん、帰ったら、練習よ」

「かしこまっ☆」

「待ってるわよ。それじゃ、さようなら」

「さよなら!」

 大きな声でそう挨拶して手を振る真中。練習とは何のことだろうか。

 委員長は部活には所属していないし、一体何の練習をするというのだろうか。

「ぷしゅ~」

「あ、ちょっと、そふぃさん、大丈夫?」

 赤髪ロングの美少女がふらふらしながら歩く姿を見て、委員長が慌てて支える。北条そふぃ。聞いたことがある。たしか、プリパラアイドルで、かなり人気があるとかなんとか。

 その北条そふぃとも知り合いなのか。委員長、一体何者……。知ろうとすればするほどに、彼女がわからなくなる。

「だいじょ~ぶ~」

「そう。それじゃぁ、また後で」

「ぷしゅー」

 また後で、そう言い北条を見送る委員長。

「委員長、北条そふぃと知り合いなんですか?」

「え、えぇ。まぁね」

「へー、では、委員長もアイドルとか興味あるんですか?」

「アイドルは、皆を笑顔にする職業よ。私も見たり聞いたりくらいするわ」

「…………」

 彼女ほど、計算能力が高いとは思っていない。だが、それなりに計算能力、周りを見る能力はあると思う。

 委員長は、なにか隠している。そして、計算によるとその答えは――プリパラにある。

 委員会の仕事を終えて、委員長は下校し、他の委員は各自部活に赴いたり帰路につく。雨宮も一人帰路につく。

 家に帰りつくとすぐさま鞄を投げ、部屋のパソコンを起動させる。そして、プリパラアイドルを調べ始め、あるグループを見つけマウスを動かす手を止める。

【SoLaMi Smile‐ソラミスマイル‐】

 最近結成され人気急上昇中のアイドルユニットらしい。メンバーは、あの北条そふぃを始め、ロングツイン少女と、黄髪のポップ系少女の三人。

 そふぃのソ、ロングツインことらぁらのラ、ポップ系みれぃのミでソラミ、か。

 スマイルは笑顔……。そこで、先の委員長の言葉を思い出す。

『アイドルは、皆を笑顔にする職業よ』

 それに、らぁらとみれぃ。見た目は違えど、真中らぁらと南みれぃ。名は同じだ。しかし、見た目が違い過ぎる。同名と言うだけで決め付けるのは早い。

 なにせ、真中らぁらは小学五年生でプリパラは禁止されているはずだ。

 自分も、どうにかしてプリパラワールドへ入れたら確認できるのだが、あいにくプリチケは届いていない。男子なのだから、届く訳もない。

 届いていたとしても、女の子だらけのあの空間へ入る勇気などない。

「ハァ~……なにやってんだろう、僕」

 大きく伸びをして後ろへ倒れる。

 アイドル、か。

 そう呟くと、がばっと起き上がり、クローゼットを開く。そして、置くからダンボール箱を取りだすと、丁寧に開く。

 その中には綺麗に整頓されたアイドルグッズの数々。【SAINTS‐セインツ‐】三年前に解散した伝説のアイドル。そのセインツのグッズ、まだ捨てずに取っておいた分だ。

 三年前はコレが部屋中に飾られていた。

「アイドルなんて」

 アイドルは大好きだ。だが、それを他人に知られれば最後、激しい迫害を受ける。以前の学校でそうだったように。

 箱をそっと閉じて、再び奥へしまい込んだ。パソコンに向き直り、動画サイトでソラミスマイルのライブ映像を全てチェックした。

   ☆

 翌日、家を出ると、隣の家に住む幼馴染とばったり出くわした。

「にいな、おはよう」

「雨宮……」

「なんだよ、その露骨に嫌そうな顔」

 彼女は、にいな。学校が違うため合うことは少なくなってきたが、昔はそれなりに仲が良かった。彼女もプリパラに通っていると、おばさんから聞いている。

「今日は不運ね」

「その不運ついでに、どうやったらプリパラタウンに入れるか教えてよ」

「プリチケをスキャンするだけよ」

「じゃなくて、僕が」

「…………」

「なんで、汚物を見るような目をしてるの!?」

 こんな風に、気兼ねなく話が出来るのは、両親を除いて彼女だけかも知れない。

「あんた、またアイドルにはまったの?」

「あー、うん。ソラミスマイルって言うユニットがいてね」

「……ソラミスマイル?」

 彼女の声色が変わる。低くドスの効いた声だ。

「アタシは、ロングラッセの方が良いと思うけどね」

「ロングラッセ? 聞いたことない。っていうか、今のアイドルは詳しくないんだ」

「あっそ、じゃぁ、調べれば? アタシ、こっちだから。じゃぁね」

 そう言い残すと、彼女は早足で去っていった。

 ロングラッセ、か。ロング……長い、グラッセはお菓子だったか? ロンは麻雀のあがり? わからない。

「雨宮、おはよう」

「あ、委員長! お、おはようございます!」

 考え事をしていると、後ろから肩を叩かれ挨拶されるので、ビックリして跳ねあがる。

「どうしたのよ、そんな驚くなんて珍しいわね」

「いえ、考え事をし――てないです」

 危なかった。私立パプリカ学園校則第2579条、考え事しながら歩いてはならない。破るところだった。

「ところで、委員長はソラミスマイルって知ってますか?」

 委員長の横を歩きながら顔をうかがい問う。

「え、あ、あぁ……勿論知っているわ。今話題のアイドルよね」

「そうです。じゃぁ、ロングラッセってユニットは知ってます?」

「えぇ、勿論。プリパラアイドルではピンクアクトレスに並ぶ人気ユニットよ」

「へ~、そうなんですか」

 ピンクアクトレスってなんだ? ダメだ、今のアイドルは多すぎてなにが何だか。

「ていうか、なんで急にアイドルの話なの?」

「従姉妹の姉が話してきまして」

「そのお姉さんは、ソラミスマイルが好きなの?」

「はい。特に、えぇと……ポップな感じの子が好きだって」

「へ、へぇー」

 うーん。うん。

「僕も、結構好みなんですよね」

「ふ、ふーん。そう。アイドルにうつつを抜かすのも良いけど、風紀委員としての自覚も持ちなさいよ!」

 早口でそう言うと、彼女は歩行ペースを上げて、雨宮を追い抜かした。雨宮はあえて追いかけず、その背中を見つめる。

 少し、彼女に追いつけた気がした。後ろから見てるだけでも十分だのに、少し、ほんの少し、彼女と肩を並べて歩いただけだというのに頬が緩む。

「よし、今日も張り切っていくかっ!!」

 つ・づ・け