自分は先日行われたJRA厩務員試験に合格し、
20年度4月生として入学することが決まって、
今年度の授業終了日をもって修了することになったので、
これが最後のブログとなります。
きっと皆さんに読んでいただく日には
すでに学校を巣立ち
次の過程へと進んでいることと思います。
ありきたりのことを書いても代わり映えしないので
今回は、馬の学校に進学することを考えている人や
馬業界に就職したいと思っている人に
向けての内容を書こうと思います。
表面上は少しネガティブな話になりますが、
深く読んでいただければわかると思いますが
何よりも自分自身は、そんなこんなでも
馬の道に進み続けるので
ご理解いただければと思います。
まず馬を趣味とするのか
馬を仕事とするのか
物事を受け取る側が持っている目的によって
この学校生活の重さも変わります。
読んでいただけると嬉しいです。
まず、自分が実感して言いたいのは、
馬の仕事は単に「馬が好き」
というだけでは続けていくのが
中々難しい仕事であるということです。
「好き」という感情の重さが
自分の欲求よりも重さや情、夢があるのか。
生き物を相手にする仕事は
みなそうだと思いますが
扱う生き物の性質や体質に合わせて
仕事が組みこまれます。
馬の朝は、作業開始時間は馬の朝ご飯の都合で
通常でも5時や6時ですし、
馬は体温が高く、暑さに弱い生き物なので
夏になると運動時間を暑さから回避するため
競走馬では夜中の2時や3時にスタートする
牧場さんもザラにあります。
草食動物の馬は野生だったら
歩きながら草をはみ、そしてまた移動する動物です。
そのため、一度に多くの餌を食べるのではなく
1日に3.4回に分けて与えてあげる必要があるので
朝・昼・夕・夜と餌をあげる必要があります
大体、夜は当番で数名の人が行うところが多いです
週に1度や2度は夜飼い当番と言って
夜の当番が回ってくるので
機械や人間を相手にする仕事と違い
仕事に拘束される時間は長く、
その分プライベートな時間は他の仕事に比べると
少ないことは否定できません。
また騎乗面の話をすると、
馬乗りは皆さんが考えているよりも
実は何倍も難しいです。
趣味や馬の背にただ落ちずにしがみついているだけなら
乗りと勢いと勇気と根性で行けるかもしれません。
でも、馬を育て、鍛えていくという目的であれば
しっかり意欲的に考えながら
騎乗練習をしないと上達しません。
なので、興味や意欲、好奇心の気持ちがないと
上達は中々厳しいのかなと感じます。
自分には馬を仕事にする覚悟があるのか、
それとも、動物園や乗馬クラブで
馬とふれあうことができればそれで満足なのか、
そこは見極める必要があるところだと思います。
自分はコミュニケーションが
上手なわけではありません
人見知りだったり、高校では友達は
気の合う人とのみ付き合っていればよかったです。
でも、仕事を進める上では
同じ厩舎を回す人とコミュケーションをとって
進めたり、協力したりしなければならないことが
大半です。
施設外の関係者には装蹄師さんや
調教師さんやオーナーさん、業者さんなど
それぞれ立場も、年齢も性格も違う人々と
関わることがあります。
それぞれに考えがあり、立場や責任や
理念がある人々と物事を上手く進めていくには
今まで自分中心だった考えや行動、
面倒なら関わらないというわけにはいきません。
仮に相性の悪い人間がいたとしても
深く関わらなければなりません。
また、自分はがんばっているのに
文句を言われる時もあるかもしれません
立場や見る方向が変われば
見える景色も結果も違うことを知る時があります
きっと、学生から社会人に
子供から大人に
自立していく過程には、ショッキングなことや
我慢や心の成長が必要なんだと思います
そういったものに耐えたり消化するには
メンタル面の強さや経験が必要で
失敗しながら自分の中で
うまく合理化することが必要になってきます。
プライベートなら寄せ付けない種の人も
仕事でなら自分と同じではないからこそ
自分では考えられないようなことを知ってたり
思いつかないような
面白いことを教えてもらうこともあり
自分では不器用でできないことも
パパっとやってもらってしまうこともある
自分とは違うからこそ
それぞれ別々な歯車がかみ合って
上手く回る、進む、大きなことが実現できる
集団になる。
それが会社や社会なんだよ
と教えられました。