今昔物語に見る食品偽装
こんな記事が 。。。
汚染米回収費、国が一部負担へ 数十億円単位を想定
[2008年9月21日0時59分 朝日新聞]
http://www.asahi.com/special/071031/TKY200809200209.html
農薬などに汚染された事故米が不正に転売されていた問題で、汚染米とは知らず商品に使った企業の回収費用などの一部を政府が負担する方向で最終調整に入った。22日にも発表される。
費用負担の範囲は運送費用だけにするのか、廃棄せざるを得なくなった商品の代金まで対象にするのかは今後詰める。負担額は数十億円から100億円単位になる見込み。財源は今年度予備費を充てる方針。
昨今、食品偽装のデパートで賑わっている。
中国では段ボール肉まん、農薬餃子、毒粉ミルク。
日本では雪印、ミートホープ、吉兆、産地偽装うなぎ、事故米。
などなど。
結局は、安全性よりいくら儲けるか、という心理が優先した結果である。
企業や役人の倫理は地に落ちた。
結局、また税金使って事故米の回収費用に充てるとか。
最悪。
現代社会は病んでいる。。。と思いたいところだが、人間、進歩していないようで。。。
平安時代末期の「今昔物語」にこんな話がある。
以前、読んだ時、強烈に印象に残った。
他にも「今昔物語」には面白い話がいっぱいある。
★注意 お食事前は読まないように!
人、酒に酔ひたる販婦の所行を見る語 第卅二[現代語訳]
今は昔、京に有りける人、知りたる人の許に行きけるに、馬より下りて其の門に入りける時に、其の門の向なりける旧き門の閉ぢて人も通はぬに、其の門の下に、販婦の女、傍に賣る物共入れたる平らなる桶を置きて臥せり。「何にして臥したるぞ」と思ひて、打寄りて見れば、此の女、酒に吉く酔ひたるなりけり。
此く見置きて其の家に入りて、暫く有りて出でて、亦馬に乘らむと爲る時に、此の販婦の女、驚き覺めたり。見れば、驚くままに物を突くに、其の物共入れたる桶に突き入れてけり。「穴穢」と思ひて見る程に、其の桶に鮨鮎の有りけるに突き懸けけり。販婦、「錯しつ」と思ひて、急ぎて手を以て、其の突き懸けたる物を鮨鮎にこそあへたりけれ。此れを見るに穢しと云へば愚かなりや。肝も違ひ心も迷ふ許思えければ、馬に急ぎ乘りて、其の所を逃げ去りにけり。
此れを思ふに、鮨鮎、本より然樣だちたる物なれば、何とも見えず。定めて其の鮨鮎賣りにけむに、人食はぬ樣有らじ。彼の見ける人、其の後永く鮨鮎を食はざりけり。然樣に賣らむ鮨鮎をこそ食はざらめ、我が許にて慥かに見て鮨調ぜたるをさへにてなむ食はざりける。其れのみにも非ず、知りと知りたる人にも此の事を語りて、「鮨鮎な食ひそ」となむ制しける。亦物など食ふ所にても、鮨鮎を見ては、物狂はしきまで唾を吐きてなむ、立ちて逃げける。
然れば、市町に賣る物も、販婦の賣る物も、極めて穢きなり。此れに依りて、少しも叶ひたらむ人は、萬の物をば目の前にして慥かに調ぜたらむを食ふべきなりとなむ、語り傳へたるとや。
酒に酔った物売り女の所業を見てしまった話(巻31.32)
今は昔、京に住む人、知人の家に行き、馬から降りてその家の門に入ろうとするとき、その向かいにある古くて閉じっぱなしの門の下に、物売り女が臥せっていた。その脇には、売り物を入れた浅い桶を置いている。その人「どうして臥せっているのか」と不審に思い、近づいて見ると、この女は酒に酔っ払って寝ているのだった。
この人、それが解るとそのままにして、知人の家に入り、しばらくして帰ろうとまた馬に乗ろうとしたとき、ちょうど物売り女が驚いて目を覚ました。その途端ゲロを吐いたが、よりによって売り物の入った桶に入れた。「うゎっ、汚ねー」と思ってよく見ると、その桶には鮨鮎(すしあゆ・アユのナレずし)が入っており、その上に吐いたのだった。物売り女、「やってしまった!」と、急いで手でその桶の中身をかき回してスシアユと交ぜてしまった。これを見て、この人汚いのを通りこして、胸が悪く動転してしまったので、馬に乗ってその場所から急いで逃げていった。
これを考えるに、鮨鮎は、もともとゲロのような外見のものなので、怪しいようには見えないだろう。きっとこの鮨鮎を売っても、買った人はそれを食べないハズはない。それを見てしまった人は、この後ぱったり鮨鮎は食べなくなった。このように売られている鮨鮎ばかりか、自分の目の前で確かに作ったと確認した鮨鮎でも食べようとしなかった。こればかりでなく、あらゆる知人にこのことを吹聴して、「鮨鮎はくれぐれも食べなさるなョ」と止めてまわった。さらには、食事中に鮨鮎を見るとそれだけで、物狂おしくツバを吐いて、立って逃げていくのだった。
こんな具合なので、市場で売っているものも、物売り女の売るものも、極めてキタナイものなのだ。従って、少しでも懐に余裕のあるお方は、よろずの食べ物は、自分の目の前で確かに調理させたものを食べるべきだと語り伝えられているという。
※この記事はmixi日記からの引越したものです。