見慣れた一人暮らしの部屋のベッドで目を覚ましたサム。
テレビをつけると指名手配となったワタリさんが街の監視カメラに映っているワイドショーが流れていた。まだ見つかってないらしい。
ワタリさんとタケルが重なり、怒り、悲しみや寂しさなどあらゆる感情が一通り胸に込み上げる。
そしてサムは覚悟を決めた。
ワタリさんは酔うと何でもペラペラと話していたので、知り合いから譲ってもらったと住所まで教えてくれた古民家にいるのではと見当をつけている。
そしてそこへ行ってみると…
庭に一人で焚き火をしていた。
ワタリさんは動揺して「警察をよんだのか⁈」と
サムは「呼んでないです。あの時俺は逃げたんです。仕事や恋愛で悩んでるの知ってたのに…。それを謝りたくて」
そんなサムの態度にワタリさんは突然嗚咽を漏らし泣き始めサムに抱きついた。
サムはワタリさんの心の痛みを理解し、受け止めた。
サムが持って来たお酒を飲もうと差し出すと、ワタリさんは
「これを飲んだら、警察に出頭し、この罪を償うよ」と穏やかな気持ちで2人はお酒を飲むのでした。
「1つ気になっていた事があるんですが、あの日なぜナイフを持っていたんですか?」とサム
「実はな、あのナイフはあの日サムの店に行く前に何軒かはしごしてベロベロで歩いている時、道端の占い師みたいな爺さんに話しかけられて、悩み相談したら『これを持っていけ』と渡させれた。
『これは大昔に神として祀られていたフツノミタマという剣の一部で作られていて、心の邪気が祓われるから』となぜか受け取ってしまった。」
「そしてサムの店でお前の兄貴と飲んでいたらフツフツと暗い感情が湧いてきて気がついたらあんな事になっていた。あの時は自分じゃないみたいな不思議な感覚だった」
いったいそのお爺さんは何者なのか⁈
2人で飲んだ後、ワタリさんは警察へ行くと行って1人歩いて行った。
サムは古民家と駅の間にあるベンチに腰をかけ、もの思いにふけった。
タマちゃんの声が聞こえてきた。
「なんでワタリを許したんや?」
「スクナヒコの最後の言葉が耳から離れなくて。
『この世の当たり前なんて関係ない。誰にもできないって思う事をやってみせるのが俺だって』」
「スクナヒコがサムに託した思いやな」
続けてタマちゃんは「あらゆる出来事は良い悪いという二元論では決められない。物事は"球体"のように捉えなければならない。良いも悪いも全部あり、成功も失敗も全部同時に存在してんねん」
「球体のように物事を捉えると"自分を成長させてくれたしんどかった出来事"にも感謝できるようになる。それができたら過去さえも変わる」
そしてタマちゃんは何者なのかを明かしてくれるのでした。
「ワシはサムやナムチと同じ魂で、日本神話だと"幸魂(サキミタマ)奇魂(クシミタマ)って呼ばれてる。神様の魂は4つに分割できて、和魂(ニギミタマ)は温厚で調和的な一面。荒魂(アラミタマ)は激しく活動的で荒々しい側面を指す。
和魂は花が咲くような繁栄を意味する幸魂と櫛で髪をとかして整えるように統一して調和する奇魂がある。和魂と荒魂は別の神様に見えるがどっちも大切で、自分の心の中にある陰も陽もどちらも受け入れて大切に拝んであげてな。それと同じで他人の心の中の陰も陽も等しく見てあげて」
「魂の課題を乗り越えたら人生は一気に加速するから楽しみにしとき!」😆
嬉しいながらも気になっている事が…
「大国主はあの後どうなった?国づくりは?」
「残念ながらイザナギとイザナミの後を引き継いだ国づくりは大国主の代で途絶えてる」
ショックを隠せないサムにタマちゃんは自分で調べるようにと、再びあの世界へと行くのでした。
目を開けると大国主の住んでいる社にいるのでした。
そこへ「大変です、大国主様!タケミカヅチという方が稲佐の浜で大声で名を呼んでおります」
嫌な予感しかしないが行かぬ訳にもいかず向かう大国主のサム😅
タマちゃんからの説明で、高天原のアマテラスが地上も我がものにと刺客を送って来たが大国主はその刺客をも大きな器で味方にしてきた。
今回は天界に絶対的な忠誠を誓う実力者のタケミカヅチを送ってきたと言うのだ。
その場へ行ってみると、大剣を逆さに立てて切っ先の上であぐらをかいている😳💦
タケミカヅチは「アマテラス様の子孫が国を治めるべきだと思うが、どう思う?」と問われた。
「どう思うって俺に聞かれても…」
「ではお前の跡継ぎに聞こう」としたところで…
大国主の息子のタケミナカタが
「父上お待たせましたな。これから先はお任せください」と登場してくれました。
そしてタケミカヅチの提案で相撲で勝負を決める事に🤭
勝負の最中タケミナカタが優勢だと思った瞬間サムは目を疑った…タケミカヅチの手が突然ツララのように鋭く尖がりタケミナカタの腹部に刺さったからだ。
タケミナカタに逃げるように懇願したが逃げる様子のない彼に焦っていると
「コトシロヌシ様が到着されました!」
「えっ?コトシロヌシ?」と思っていると、浜辺にある小さな舟の上に釣竿を持った恵比寿顔の男が立っているのでした。タケミナカタの兄コトシロヌシです。
「どれだけの血が流れようとも我々のものにせねばならない」と怯まないタケミカヅチの態度に
「父上がおっしゃっていた古代から受け継がれてきた伝統も知恵も信仰も全て隠さなくてはならない時代が来たのですね。これまで大切にしてきた自然への信仰は失われ、人間がこの世を支配しようとする時代が。だからこそ数千年先に再び訪れる新たな国づくりの時まで真の歴史は隠さなくてはならない」と言って「これから先は父上が決めて下さい」
こんな大切な場面を俺に託すなんて…😅
さて、サムはいかなる決断をするのか⁈
他に助けは来るのか⁈
サムの決断にタケミカヅチはどう反応するのか⁈
これから先はファンタジー感たっぷりの時空を超えた展開となっております。
そして現代へ戻ったサムはバーのカウンターに兄貴と並んで立っていたのでした。
素直に「ありがとう」と感謝を伝えると兄も和やかに「今度久しぶりにサシで飲もう」と言ってくれたのでした。
自分の事も家族の事も分かった気になってて、何も理解しようとしてなくて、人と向き合うことからずっと逃げていた事をあらためて思い出した。
本当の意味での理解なんて出来ないかもしれないけど"理解しようとする"気持ちが大切なのかもしれない。と悟るのでした。
そしてバーに久しぶりに会う高校の同級生杉山君が入って来ました。
「スクナヒコ⁈」
とスクナヒコそっくりの杉山君は来月仕事を辞めてのんびり自然の中で暮らしたいと言うので、サムの兄貴が「過疎化が進んでる今の日本には廃村とか余った土地が増えてるらしいから頑張って探したらいい場所見つかるかもね」
と言うのを聞いてサムは大国主が俺に託してくれた答えがそこにある気がして
「どっかの土地を手に入れて皆んなで"村づくり"しない?」
と提案するのでした。
そして賛同した2人と乾杯し🍻『古事記』の世界に迷い込んだサムの"国づくり"の物語はまたここから始まるのでした。
*今回はワープしたくらい最大限に端折り、どうなったのか気になる箇所があるとは思いますが、こんな流れで物語は締めくくられるのでした。
そして本当にサムさん達はこの現実世界でも村づくりをしているので、現世と夢のお話しがリンクして面白かったです。
どうぞ本書を読んで頂きもっと深く感じて下さい🙇♀️
