12月23日(祝)の床の間 | お煎茶の話でもしましょうか・・・

お煎茶の話でもしましょうか・・・

煎茶のお稽古のご紹介をしています。
お煎茶の世界に触れてみませんか?
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賣茶正流宗家家元三代目、堤好石

この日で平成27年のお稽古は終了です。

年度末はいつもこのお軸で締めるのが

わが流の定番です。来年もよろしくお願いします。

この日のお軸は臨済宗方広寺派の

大本山、浜松市にある方広寺の

第三代管長を務めた足利紫山老師の

書を掛けました。季語が「雲」ですから

本来は夏のお軸なのですが「古寺の鐘」と

あるので強引に除夜の鐘にこじつけて

年末最後のお軸として例年、この時期に

掛けることにしています。もう数十年の間

わが家の年末の定番です。

「雲深く古寺の鐘」と書かれています。

古寺の鐘というところがいかにも

老師らしく、古い小さなお寺の梵鐘を

思い浮かべませんか。紫山老師は

幕末から昭和まで102歳という長寿を

全うした僧侶で、数々の書を残しています。

僧侶のお軸というと個性的で読みにくい

書が多いようですが、紫山老師の書は

ご覧のように達筆で読みやすく、見事な

お軸となっています。

この日のお花はヤシャの枝にケイトウの

根締めにしました。ヤシャは初めて

扱う枝で赤黒い実が特徴です。

枝が地味なので派手なケイトウの花で

華やかさを演出しました。

普通は年度末のお花はお正月用に、

松やセンリョウを飾ることが多いのですが、

今年はまだ花屋さんで仕入れていないので

今年最後のお花としました。たまには

こんな床の間もいいのではないでしょうか。

皆様、よいお年をお迎えください。