12月3日(土)の床の間 | お煎茶の話でもしましょうか・・・

お煎茶の話でもしましょうか・・・

煎茶のお稽古のご紹介をしています。
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賣茶正流宗家家元三代目、堤好石

冬らしい寒い日が続きますが、

皆様、インフルエンザなどに気を付けて

健康な年末をお送りください。

12月最初の床の間はこんな感じです。

この日の掛け軸は先代家元と私が

たいへんお世話になった南画鑑定家

西村南岳先生の「寒山拾得像」です。

先生はとにかく著名な作家のお軸を

丁寧に模写して作品の実態に迫るよう

努力をしてまいりました。

このお軸もその一つで、模写とはいえ

堂々たるものです。

先生の模写絵はわが家にたくさんありますので

追々飾ってまいりたいと思います。

寒山拾得とは中国江蘇省蘇州市風橋鎮に

ある臨済宗の名刹、寒山寺に伝わる

寒山と拾得の伝承で、これを題材とした

作品です。二人は唐の伝説上の詩僧で

天台山国清寺の豊干禅師の弟子です。

拾得は豊干に拾い養われたので拾得と

しました。寒山は寒山の洞窟に住んだため、

寒山と称しました。樺皮を冠として大きな靴を

履き国清寺を行き来して拾得と交わり、拾得が

食事係であったので残飯をもらい受けていたと

いう逸話があります。寒山は経巻を開き、

拾得はほうきを持っています。

この日のお花はウンリュウ(柳)の枝に

ダリアの根締めにしました。ウンリュウは

たいへん活けやすい枝で、枝ぶりもよく、

タメがききますので自在に活けることができます。

ダリアは私の好きなお花で、床の間に

不釣り合いな派手で存在感のあるお花です。

変化があって、時にはこんなお花も床の間に

いかがでしょうか。