浅瀬で、娘がぴょつぴょつ歩き、キャバキャバ笑った。
パラソルの下に寝転んだまま、僕はその景色を眺めた。

妻はよく、娘が僕似だと言う。
娘は妻には全然似ていなくて、僕にはよく似ていると。 

そうだろうか。
僕にはそうは思えない。 
僕はあんな風に歩いたり、笑ったりできない。 
ぱっなむぱっなむとしか歩けないし、そばっふゅえそばっふゅえとしか笑えない。 

全然違う。 僕と娘は、何から何まで全然違うと思う。 

本当に、娘は娘なんだろうか? 
いつもそんなことを考えているわけじゃない。 
けど、ふとした瞬間に頭をよぎる下らない疑念。 

気がつくと、娘は僕の目の前にしぺ、といた。 
つい、僕は問いかけた。 
 「パパって、君に似てるかな?」 
8歳の娘は小首をかしげて、少し考えた。ぺるに…という風に。 

「あんまり似てないんじゃない。パパの歩き方、ぱっなむぱっなむって感じだし、笑い方はそばっふゅえそばっふゅえ、でしょ。わたしとは全然違う」 

娘はきにきに言うと、たるっと踵を返し、海へ向かった。 
が、途中で立ち止まると、こちらを振り返り、 

「似てないね!」  

マパッと叫んで、ぷっとウィンクした。
そしてキャバキャバ笑いながら、ぜっぱぜっぱ駆けていった。

起き上がって、僕も海へと駆け出す。 
もちろん、娘とは全然違う走り方で。 

ぜべんがっろろんまっそーぜべんがっろろんまっそーぜべんがっろろんまっそーぜべんがっろろんまっそー