前号で、私たちは本当の自分自身に気づけないでいると述
べました。そして本当の自分を知ることができないのは、
業(カルマ)から生じる我欲があるためであり、その我欲
が本当の自分を見えなくしているのだということについて
も述べました。
そこで、では、どうすれば我欲を取り去り、本当の自分を
知り、本当の自分として生きることができるのかという話
になります。
これは簡単ではないことはおそらくほとんどの人が分りま
すよね。
我欲を生み出す自分が抱える業とは果たして何なのかーー
これが分らなくては我欲の根を絶つということはそもそも
できないわけです。自分たちの人生を狂わせてしまうもの
がこの業(カルマ)であると考えるからです。
人それぞれに一定パターンの繰り返しのようなことをやっ
ています。人のそれは見えても、自分のそれにはなかなか
気づき得ないというのが私たちですよね。
同じ事態に対して、いつも一定の反応、つまり一定の受け
止め方、一定の思考、一定の行動を取ってしまっている。
これが私たちです。まるで1つの鋳型を持っていて、同じ
形のものをいつも作り出すように私たちは同じ行動を繰り
返しています。それに気付けばカルマが少し見えたという
ことになると思います。
ではです。このいつもの一定反応パターンからどうすれば
脱却できるのかという話になります。
私たちのすべての考えも発言も行動も、私たちの「心」が
生み出すものですよね。従って自分の心を観るということ
がどうしても大切になってきます。ではどうやって自分の
心を客観的に観ることができるのかという話になります。
つづきはまた明日書きます。