眼は心の窓と言いますが、これを幾度か体験したことがあり
ます。 最初は23歳くらいのときでした。
ある活発な女の子がおり、私よりも少し年上でした。
しかし、私は彼女の眼を視たとき、瞳の奥に、見えたものが
ります。 午後のひととき割と幼い女の子が裏庭のようなとこ
ろで、一人で遊んでいる姿でした。
私はそのとき「ああ、この子は孤独なんだ」と直観しました。
以来、彼女はすべて私の言いなりのようになりました。
私は彼女に対し、「成長」を促そうとしたのでした。
ある男性への禁じられた想い、その苦しさから彼女を解放し、
歩き出させてあげなくてはならないと思ったのです。そして
彼女が立ち上がり、歩け出せたときに、自分は彼女のもとを
去ろうと考えたのです。
以来、幾度か、瞳の奥に、女性の本当の姿が見えたことがあ
ります。
この原稿はかつてあるサイトに投稿したものです。