黒沢清監督の地球侵略もの。

散歩する侵略者

長澤まさみと松田龍平の夫婦のパートと長谷川博己と高校生たちのパートに分かれているのですが、まず夫婦のパート。

性格が変わって頭もおかしくなって帰ってきた松田龍平に困惑する長澤まさみ。もともと夫婦仲が終わりかけていたところに変なことを言う夫に困惑したりキレたりする長澤まさみがとてもいい。キレ芸を見たら「海街diary」また観たくなりました。
そして松田龍平の感情が出ない顔を活かした宇宙人演技もはまっていました。

宇宙人をカミングアウトする松田龍平に何だこいつ。ってなるけど長澤まさみが次第に受け入れて行くところがいいんですよね。松田龍平も宇宙人あのに特別な感情が芽生えちゃう感じも。

スクープを狙うジャーナリストの長谷川博己が偶然出会った高校生とともに行動していくうちに、彼らが正体と目的を知り政府に狙われるという展開になりますが、高校生の宇宙人たちがあっけらかんとしていてこちらもよかったです。

宇宙人は人に寄生して行動を起こすようですが、「ガイド」を付けて人間界の事を学んで行くわけでこれが長澤まさみと長谷川博己。女子高生は「ガイド」がいないので暴走気味ってところがまたいい味を出していました。
そして人間というものを知るために人から「概念」を盗み「概念」を盗まれた人間は人格が崩壊するというところが面白い発想だなと思いました。
例えば宇宙人が「仕事って何?」って疑問に思うと人から「仕事」の概念を抜き取り、取られた人間は「仕事」の事がさっぱりになっちゃうんですよ。

そんなこんなで地球の侵略が始まるクライマックス、長澤まさみたち長谷川博己たちのそれぞれの結末がどちらもよかったです。特に長谷川博己のパートはその気持ち分かるよ。とグッと来ました。

とにかくこれはメインの人間三人と侵略者三人のキャスティングで作品の良さが増したと思います。

予告編

おまけ
別ポスター
散歩する侵略者