ここまで書いてきた通り、僕が独立を決めた第一要因は、圧倒的に自分のやりたいことが明確になり、スタートできる条件が揃ったから、であることに間違いはありません。
一方、もう少し世の中のことをマクロにみると次のようなことも考慮するのは自然なことでした。
かつての終身雇用の世の中と違い、一つの組織で年金受給まで耐えられる(逃げ切れる)のは、明らかに僕の世代より上の人達です。
つまり、僕の世代(とその下)は、恐らく年金受給が開始となる70歳までどう生きるかをある程度考えなくてはいけません。(昔のように他人任せ、会社任せでは、絶対に70歳まで面倒みてくれません)
特に日産では、50歳が一つのゴールであり(実際本社では50代の人はほとんどいない)、40歳超えたら考え始め、45歳超えたら明確なカウントダウン、というのは当たり前です。
そしてこれは日産だけの話ではなく、世の中の会社の多くがこれに近い状態になっていくと思っています。
70歳。
恐らく60歳~70歳の間はいずれにせよ、その世代に見合ったキャリア、仕事市場が形成されていくでしょう。つまり、今やっている仕事の延長上の仕事をすることは考えにくく、その他の仕事をするはずです。
となると60過ぎまでどうキャリアを継続させるかというのは重要です。それは今の仕事の延長上や一つの組織でと考えること自体、実態に合っていません。
多くの人が頭では理解しているものの、すぐ目の前の危機としてとらえられないため、知らないふり、関係ないふりをして目を閉じてしまっています。
その状況で、強制的に「目を開けさせられ」現実を突きつけられた人々を何人も見てきました。
遅かれ早かれ、自分はこの後どうするのか。”現在”が永遠には続かないという当たり前の前提に立って考えると、今回の僕の選択は、短期的にはリスクが大きいものの、中長期的なリスクでは判断が難しいといえます(会社に残って今の仕事を続け、ある時サドンデスという選択に比べてという意味で)。
まあ、先の読めない世の中なので、どうやっても計画通りには行きません。
であれば、他人に完全に身を任せるのではなく、短い人生、一回の人生で”自分で考えて決める”というチョイスができたことは、本当に幸せだと感じています、