今月の読了は2冊。


北村薫『太宰治の辞書』創元推理文庫

北森鴻『狂乱廿四孝/双蝶闇草子』創元推理文庫

関良基『江戸の憲法構想 日本近代史の"イフ"』作品社(継続中)



『太宰治の…』《円紫さんと私》シリーズで読んでいなかったので、遅ればせながら読んでみたが…「日常の謎」はどこに行った?仕事に家庭に多忙となった主人公には、もう「日常」がなくなったのだろうか?


『狂乱廿四孝/双蝶闇草紙』落語に続いて歌舞伎。先年物故と思っていたら10年以上も前だった。鮎川賞受賞時から気になっていた本を今頃読む。明治初年と言う時代背景だからこそ役者の狂気を含めて成り立つ世界だろう。未完の「双蝶…」は過去と現代の相似性がまだ描ききれなかったので、どこに着地するのか結末を読みたかった。