なんとなく、いいこと聞いたんで・・・4 | やすのど素人的ブログ

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日本のいいところを子供たちに残したいですね。

「残りなく 散るぞめでたき 桜花」


古今和歌集にあるらしいのですが、いかにも日本人らしい気質を表す句として、よく取り上げられているようです。


「残りなく 散るぞめでたき 桜花 有りて世の中 はての憂ければ」


桜は、散り始めたら全部散ってしまうのが見事なのであって、いつまでも残っているのはイヤなものだ。との意味らしいです。



先日、映画を見まして、「花よりもなほ」という岡田准一さん主演の時代劇です。古いですね。


あるおんぼろ長屋に、かたき討ちのために江戸に来ている若侍がいまして、とにかくあまりやる気がないのです。おんぼろ長屋にはいろいろ個性豊かな人達がいるのですが、中に母親と男の子がいて、若侍はその母親に「ほ」の字なんですね。その若侍、剣のほうはからっきしで、学問が得意なのです。


かたき討ちの相手を見つけるのですが、相手は所帯を持ち、子供もいて、奥さんは妊娠もしているようなのです。心優しい若侍は仇討をする気がなくなってしまいます。


そういった話に赤穂浪士も加わり、見ていて「ほっこり」優しい気持ちになる映画です。


あくまでもコメディなので、もし見ようと言う方は、細かい話は抜きに見てください。


その中で、ある人物が「残りなく 散るぞめでたき 桜花」、武士とはこうあるべきだとかなんとか言うのです。すると、長屋に住みついたらしい個性豊かな別の人物が答えます。


「桜がいさぎよく散るのは、来年も咲くことを知ってるからじゃないの?じゃなきゃ、そう簡単に散らないよ。」


私、この言葉に感心しまして、なるほど、桜は散って、一見潔く、なくなるように見えるけれども、実は次に向けて準備しているんだなと。逞しいものだなと感じたのです。


どちらかと言うと、日本人は桜の潔い散り方のみを重視していますが、桜の次に備える逞しさも取り入れなくてはなりませんね。