こんにちは。

 

カウンセラーふさやんです。

 

 

前回、毒親に苦しまれた方々へのメッセージとして書きましたので、今度は親にも、目を向けていきたいと思います。

 

鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥

 

子どもを大切にする親、子どもと距離の取れる親、そして……。

 

子どもを虐待する親、子どもを振り回す親、子どもを所有物としか思っていない親。

 

そんな親たちを、たくさん見つめてきました。

 

私は親になったことがありません。

命が宿る体ではないからです。

でもだからといって、「私には関係ないこと」とは思っていません。

 

ロボットロボットロボットロボットロボットロボットロボットロボットロボットロボット

 

自分に子どもが出来て、だれかと喜びを分かち合う。

そして、その命が赤ちゃんとして生まれてきたら……。

 

産んだばかりのその小さな赤ん坊を見て、親になりたかった女性はとても喜ぶんでしょうね。

父親も、同様だと思います。

 

 

でも、家族の数だけ、そのカタチは違います。

いろんな要因が重なったり、環境によって、人は様々な影響を受け続けます。

 

そして、毒になる親と毒にならない親の分岐点がやってきます。

 

 

はじめから、「100点満点の親」からのスタートではありません。

試行錯誤をくり返しながら、一生懸命になって、子どもと同じ歳の親になっていくんです。

 

とてもかわいがっていても、責任感に潰されて、「子どもを育てること」を放棄したくなる親もいるでしょう。

 

子どもからしたら、そんな親なんか最悪、と思いますよね。

 

でも、彼ら彼女たちも子どものとき、自分の親にそう感じていたかもしれません。

 

たまたま親になったけれど、望んで親になったけれど、当たり前だと世間では思われている「家族」を、そして「家族」がどんなものなのか、知らない人たちだっています。

 

だからといって、それが「子どもにとって毒になる親」になっていい理由になんか、なるはずないんですけどね。

 

 

ヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコ

 

 

特に、母親と娘の関係は、なかなか距離感が難しいです。

娘を思い通り(支配しようとする、と言ってもいいですね)に育てようとした母親が、追いつめられた娘に殺される、という凄惨な事件が起きました。

 

でも……。

殺した側の娘だって、母親に愛されたいと願っていたときが、あったと思うんです。

 

そして、被害者の母親も、親に充分愛されたという記憶がなく、気づかないところで傷になっていたかもしれません。

 

 

 

さて。

現在の日本は、貧困国へのカウントダウンが始まっているとはいえ、経済的にはまだ恵まれている位置にいます。

 

けれども、敗戦した1945年前後。

いわゆる、のちの日本の高度成長期を支えることになる人たちが生まれました。

明日の食べるものに苦労した時代です。

 

今、後期高齢者と言われる方々は、貧しい時期を必死に生きてきた世代です。

だから、必死に働くのが当たり前。

 

高校に進学するだけの経済的余裕がなくて、中学を卒業した子どもたちが、集団就職で大都市に出てきて、働いて、自分の生活を守りながら、家族に仕送りをしていた時代です。

 

団塊の世代(第一次ベビーブーム)ですね。

 

戦争で負った傷も癒えず、戦後、日本に雪崩のごとく入ってきた新しい価値観や考え方に翻弄された、多くの人たち。

 

そして、その団塊世代の方々が産んだ団塊ジュニアである第二次ベビーブーム(1971[昭和46]年~1974[昭和49]年生まれ)は、ロスジェネ世代(失われた世代)の先頭を担いました。

 

いい学校・いい会社に行けば、幸せになると信じられていた時代。

理不尽なことに対して、「忍耐」「我慢」を強いられました。

 

偏差値偏重の価値観がまかり通っていて、

人を、大学名(現在とでは偏差値が異なりますが)や会社名で判断する時代です。

大学進学率が現在よりも高くない時代なのに、です。

 

 

私の知り合いに、こんな人がいました。

第一志望の東京大学には無事合格、でも、滑り止めのはずだった私立の慶應、早稲田大学には不合格になりました。

本人は、信じられない、と言っていました。

 

特に、第二次ベビーブームに生まれた人たちの大学受験時は、40人受けても1人しか受からない、といったような倍率の大学が少なくありませんでした。

 

ですが、そんな受験「戦争」を勝ち抜いた人も、就職時にはバブルがはじけ、「いい会社に入れば幸せになれる」という常識は、幻想に変わりました。

非正規雇用が増え、派遣社員も激増しました。

 

その世代も、今やアラフィフ。

 

そして、今、「自分の親は毒親だ」と言っている世代の、ちょうど親たちの世代に当たるのではないか、と思います。

 

 

さて。

毒親だと思っている自分の親の人生を、あなたは知っているのでしょうか?

あなたの親も、未だ癒えない傷に苦しんでいる人生を送ってきている可能性があるのです。

自覚しているかは、分かりませんが。

 

今は、○○人格障害、という言葉が流行り、未だ、精神医学の臨床に携わっている医師の間でも、診断すべきことなのか、意見の分かれるところです。

ネットで調べて、「自分の毒親は○○人格障害だった!」と決めつけてしまう人もいます。

 

でも、それはあなたの先入観込みで知っているその親の、一部の顔なんです。

 

人には、

1.自分しか知らない自分

2.自分と他人が知っている自分

3.他人しか知らない自分

4.自分も他人も知らない自分

という4つの顔がある、と心理学界隈では言われているそうです。

 

だから、あなたの知らない親の顔があるんです。

 

必死に努力しても、報われない、すぐにドロップアウトしたとみなされる社会に戸惑う人は、多かったと思います。

とはいえ、そんな時代でも、必死に人生を立て直してきた人も大勢います。

だから、いつの時代も同じで、私が「親の世代の社会は今と違う」と言ったところで、言い訳に過ぎないことは分かっています。

 

自分の不満を子どもにぶつける。

自分がなしえなかった理想を、子どもに実現してほしいと要求する。

そんなふうに、子どもの毒になるようなことを、していい理由にはなりません。

 

とはいえ。

毒親と呼ばれる人たちが、育った環境下で、どんなふうに感じ、何を考えてきたのか。

そんなことを知ったり、思いを巡らせてみると、意外と簡単に、「毒親」への対応方法が見つかり、あなた自身が生きやすくなるかもしれません。

 

一番大切なのは、あなた自身。

過去と他人(家族を含む)は変えられません。

自分が変わるのが、自分らしく、生きやすくなる一番の近道です。

 

あなたの中の何かが、親への恨みだけではなく、「これからの自分の人生」の中心を考えられるようになったときは是非、誰かに助けを求めながら、ご自分で将来を切り開いていっていただきたいと思います。

 

※このインコさんの下は、落ち込み度の激しい方や、少しでも「死」を考えてしまう方はお読みにならないでください。

 

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私の知り合い、sさんの話をしたいと思います。

 

二十歳になるまでは、衣食住には困らなかったし、お金の心配はしたことがなかったので、その点では幸せだった、と言っていました。

 

でも、家庭環境は壊れていたそうです。

毎日のように誰かが泣いていて、家族は皆、相当重いストレスを抱えていました。

 

血縁の人たちの気分を害するようなことをしてしまうと、母親に決まって、「あなたたち(sさんには姉がいました)が××したら、私が○○に怒られるんだからね」と怒られていた、とのこと。

 

家庭にも学校にも居場所がなく、緊張状態のなかで10代を過ごしたsさんは、ハタチになる頃、あっけなく一線を越えました。

 

その2日後、目覚めたらしいのですが、ベッドサイドにいた母親は泣いていて、意識を取り戻した娘に喜んだあと、「あなたが悪い」と言ったそうです。

 

 

一線を越えたのが夜中だったので、寝ていた家族に迷惑をかけたこと。

医療費と入院費がかかること。

そして、こうも言いました。

心が弱く甘ったれてるから、こんなことをしでかすんだ、と。

 

自殺を図ったので、安全を理由に手足を抑制されていた(ようするに、ベッドに縛りつけられていた)娘への気遣いなどは、全くなかったのです。

 

「死にたかったわけではなくて、ただ、空気に溶けたかっただけなのに。絶望には底がないんだね……」

私が話を聴いているとき、sさんは、そう言って力なく笑ってました。

 

 

私が「絶望に底がない」と知ったのは、そのときです。

 

でも、sさんは、こうも付け加えました。

「母親は中学卒業してすぐ、集団就職で東京に来たうちの一人。貧乏でとても苦労したから、余裕がなかったし、特に子どもを産んだ後は、必死だったんだと思う」

 

そして、sさんは現在、家族と離れて暮らしています。

実家に帰り、母親と二人きりになりそうになると、体が震えて、呼吸のリズムが乱れるのですが、それを悟られないようにしているとか。

 

育ててもらった恩はあるけれど、親とは距離を置かないと、自分を保てない。

「家族がああなったのは、分かるんだよね。自分も同じ環境にいたし。だから恨んでもいないし、嫌いでもないんだけど……私はどうすればよかったんだろう」

それ以来、sさんは、親の話はしなくなりました。

 

皆さんは、どう受け止めますか?

 

 

今日もこのブログを読んでくださり、

ありがとうございましたドキドキ音譜