筋書きのないドラマ、終演。
先ほど春の甲子園「センバツ」が終了しました。
今回で78回目を数える選抜高校野球大会の決勝戦が行われるのはもちろん、兵庫県西宮市の甲子園球場。
決勝のカードは春夏通算4度の優勝を誇る横浜と、初出場の清峰。
そして栄光の優勝旗をかざしたのは横浜高校でした。
終わってみれば21-0の完勝。
21点を奪ったことよりも0点に押さえての勝利がうれしいと語った監督の言葉が印象に残りました。
横浜は選抜大会では3年ぶりの決勝進出で、怪物松坂(現西武)を擁した第70回大会以来、8年ぶり3度目の優勝を果たしました。
点を取られた清峰高校の投手陣は、自分たちがゲームを崩してしまったと責任を感じていることでしょう。
ただ、わすれてほしくないことは、決勝で21点とられたという記録を不名誉なものだと思わないでほしいですね。
決勝戦でよくない記録を作れるのは、決勝戦に立つことが許された限られた選手だけだということを忘れてほしくないです。
そしてこれをかてに夏を目指して頑張ってほしいですね。
対する横浜も春夏連覇を目指し、春の王者が夏の甲子園で活躍する姿が目に浮かびます。
負けたチームも勝ったチームも、一生忘れられない思い出となったでしょう。
清峰をはじめ全てのチームが目指した優勝旗は横浜高校がもっていくことになりましたが、それ以上に大きいものを日本中に届けることができたのではないでしょうか。
また、この姿を見た野球少年がいつか甲子園に立つことになるのです。
そんな野球少年たちに夢を与えることができたのではないでしょうか。
これこそが世界で一番レベルが高いと言われる日本の高校野球が誇る最も大切なものといえるでしょう。
この上ない筋書きのないドラマ「甲子園」が今日、幕を閉じました。
そしてまた夏、あたらしいドラマが生まれることになるでしょう。