父の死を医師による確認をうけ、この病室は我々家族がいる場所ではなくなった。


すぐに葬儀屋さんへ連絡を取り、次に進まなければならない。


看護師さんは病院から葬儀屋さんを紹介もできますよと声をかけて下さったが、父が生前に見学に行き登録していた葬儀屋さんがあった。


数年前に父に葬儀屋さんに登録したんだと突然言われた事があった。その時はまだまだ先の事だし、いつどこで亡くなるかわからないし…と、ついつい父に文句を言ってしまったが、今この時になるとこれ程有難い事は無かった。選択肢が一つしかないというのは混乱した頭の遺族にとって本当に有難い。


すぐに父が登録していた葬儀屋さんに電話をした。

とても丁寧で安心感のある女性が電話口にでて対応してくれた。


1時間ほどで迎えに来てくれると言う。

亡くなった父を移動させる術はこれしかないのだ。

病院の計らいでしばらくこの病室を使わせてもらい、葬儀屋さんを待つことに。その間も死亡届など、病院から書類を受け取り、悲しむヒマもなく、進んでいく。幸いなことに、まだ午前中なのだ。


葬儀屋さんが到着し、看護師さんたちによって父はベッドごと地下へ移動。そのまま葬儀屋さんの男性2人の手によって、移動用の車へ。父が大好きだった自宅へと連れて帰ってもらった。母はどこに父を寝かせるのか?父を自宅に連れ帰ることができるのか?と心配していた。


妹と私は後から車で追いかけた。

私たちが自宅に着いた時はもういつもの布団に寝かせてもらい、お線香をあげる場所も整えられていた。


ここまでの出来事は夢なのか現実なのか?なんだかフワフワした感じがした。