カバー付きです。カーキ色と利休鼠ウノのようなグレーに、貝殻の螺鈿(らでん)がちりばめられています。
この色は初めてみました。
下駄の裏に津軽塗の青漆連の赤いシールも貼ってあります。
カバーは古くなってはいますが、なめし革のようです。
釘で固定されていましたが、錆びていたのでラジオペンチで取り外しました。
鼻緒がとても良いものです。たぶん40年近くは経っているかと思います。うちのおばあちゃんの下駄は履いたものでしたが、今も鼻緒を替えてメンテナンスしながら、私が普通に履いています。
鼻緒がビニールでなかったぶん劣化していませんでした。
色は一見地味な感じですが、とてもすっきりすると思います。
試しに、薄いピンクの足袋でこんな感じ
写真よりも、もっとグレーがかったカーキ色です。
本当に下駄には傷一つなく綺麗で、津軽塗の下駄をはかずに収集しているマニアの方などには、大変申し訳ないのですが、私はこれを日々、履きまくりたいと思います。
未使用で美品でしたので、この下駄は何十年も外を見ずに箱の中に入っていたのだと思います。着物を着て絶対に外を見せてあげたいと思います。
雨用のカバーもゴムを変えると普通に今でも使えます。
私は幼い頃長靴を買ってもらって嬉しくて枕元に置いて寝たそうですが、今もこの珍しい津軽塗の下駄を枕元に置いて寝たい気分です。
何十年も経っているので、もしかしたら付喪神が宿っていないかしら。
いやいや下駄と話をしていたら変な人に思われそうですが、私はそのくらいウキウキした嬉しい気分です。
二枚歯の底にも、ちゃんとゴムをつけて釘を打ち込んでいるので履くつもりだったのでしょうが、履かないまま箱に入れられていたのでしょうね。
乾いた布で磨いたら、良い艶が出てピカピカになりました。
本当に強い津軽塗りの下駄、これが津軽塗りの持つ美しさと魅力だと思います。