はばたけトキたち
二年 いちろう (バンソウコウJunior / 8歳 )
二〇〇八年、九月二十五日木曜日。 全校で、トキの
ほう鳥を見に行きました。
トキは、ランドセル四こ分ぐらいのはこに入っていました。
そして、 はこのふたをあけると、 八回ぐらい白い羽を
バタバタさせて、大空へとんでいきました。
ぼくは、六番目にはなされたトキを、ずっと見ていました。
そのトキは、ぼくたちの上を一周して、どこかへ行きました。
しばらくすると、空が、少しくらくなってきました。
(あっ、雨がふるんだな。 もし雨がふったら、トキは
だいじょうぶかな。)
しんぱいになりました。ポツポツふっていた雨は、
どしゃぶりになってしまいました。
新しい年になりました。でもぼくは、年をこしても、まだ、
ほう鳥したトキたちを見ていません。十羽のうち一羽は、
しんでしまったそうです。その子は、一才のおすでした。
(なぜ、世界には、しぬということがあるんだろう。 )
ぼくがきれいだと思う、すてきな羽をもつトキ。どうか、
元気でいてね。はばたけ、トキたち。
平成21年2月23日 印刷 平成21年2月27日 発行
編集 佐渡市●●小学校 印刷 畑野印刷所
「はなかげ」 文集 第60号 より抜粋。