夜は誰のために
虹の下をそよぐ風の名において
俺達は誓いあえるはず
美しい惑星の上に生を享けたことと
そこで歿ぬことの誇を胸に
離れることのない心と身体を解き放ち ----------------
その時
鳥達が囀り
朝陽が空を舞う
そう すべてはそこからはじまる
大丈夫 彼女は立ち止まりはしない
決して彼等のように卑しくはないし
今でも独りになることを惧れ 眠れぬ夜を過している
ところで 夜は誰のためにあるのか?
限り無き夢と欲望の空廻りを騙り合う彼等のため?
それとも循環と崩壊の世界について論議を交す者達のため?
夜は誰のためにあるのか ----------------
太陽を邀える朝
俺たちは確めあえるはず
碧い星の上に生を享けたことと
そこで歿に逝くことの誇を胸に
君を撃ちのめそうとしていた寒さと風は
永遠に訪れはしないことを約束して……
そのとき
草樹が鬱り 水が海へ濯がれ 大地には陽があたる
そう すべてはそこからはじまる
taken from “BAD LIFE
” (1987筆)