眺めても眺めても空高く貫かれる青い色の彼方に
こことは別の世界がある星の表面
そこには決して何もないわけでもなく
そこには既に動かす力が決まっている静寂がある
ただ人知れず静まり返った汚れなき空間に
見える場所と見えない場所を完全に繋ぐ証の数々
そしてまた朝を迎える
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黒い海原に
じわじわと太陽が昇ってくる
静かなる浜辺では
時が止まるように感じる瞬間はない
やがて 空と海の間に輝ける朱い帯は
広大な青い空へ溶け込んでゆく
そしてまた 沈みゆく光の上へ跨がる闇に散りばめられた星の数々
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大洋に沈む夕陽が辺り一面を包み込むように
「また近いうちに…」
と 夏と挨拶を交わし
約束通り秋が訪れる
どこまでも終わりにない道のように
星の輝きは魂の不滅を物語り
深憂を遠ざける
一つの人生に用意された五感の感触のすべてが
妖艶な時の流れとともに
ある一つの形になってゆく
そして風は
「この文明のおさらいに最後の秋を…」
と そう告げるように
季節の変わり目を吹き抜ける
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彼は云う、
「どんなに厳しい変貌を迎えようとも
四季の色や香りに親しめる心が
いつの日も変わらずいられるために
短く感じられる一日一日を充実させる必要がある」
と。
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そして
暖かい夜の海へ・・・
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