今季のアビスパの戦いを振り返り、
さらに欧州から外国人監督を招聘して
来季もブロックを作ってゾーンで守るスタイルを継続するのであれば、
明らかに個の部分で足りないポジションがあります。
【1】高さなど競り合いに強くて サイドを変えられるCB。
今季は古賀が開幕から2ヵ月間肉離れで、
続いて山口もケガで長期欠場する事になり出だしからCBの弱さが際立つ形になりました。
また、ボールを回してポゼッションしたいのに、つなぎの部分でのミスでカウンターを受けて失点を重ねる場面も数多く見られました。
この2つのポイントをグループや組織で
解決するのは難しいので、
人を変える必要があります。
アビスパで競り合いに本当に強いCBは
古賀だけです。
山口は身長は大きいですが、
基本的には運動量、速さ、守備範囲の広さが特長であって、
相手が競り合いに強い、千葉の藤田、大分の森島などになると
アプローチに行けず距離を取ってしまったり真正面からのハイボールにも競り負ける
場面が増えてしまい、
身体の強さ、跳ぶ前の駆け引きなどは
かなりの成長が必要になります。
その他のCBが堤、畑本と競り合いに強いタイプではないので、
競り合いに強いCBは1人は必要です。
さらにプシュニク監督がサイドを使い
ある程度パスをつなぐのであれば、
競り合いに強いだけでなく足元の技術のあるCBが必要になります。
ボールポゼッションするためには、相手の
プレッシャーの中でサイドを変えられないといけません。
守備というものは、基本的に相手をワンサイドに追い込んでボールを奪う形になるので、
はじめはサイドでスペースがあっても
狭い局面でパスを回しているだけだと
どんどん追い込まれ、囲まれて奪われて
しまうのです。
GK以外で相手のプレッシャーを1番受けないのがCBと言えます。
以前はSBでしたが、
各チームがプレッシャーが掛かり難いと
言う事で
SBに攻撃的な選手を起用して
攻撃の起点としてゲームコントロールまで任せたことで、
今度はSBにプレッシャーを掛けるためにDFラインを上げて高い位置からプレスに行くチームが増え、
さらに、パスをつなげないCBにはボールを持たせて
SBに入った途端にFWとSHがプレッシャーに行くチームが増えたことで、
現在はSBに技術があるチームのCBが
1番プレッシャーを受けないポジションになりました。
また、ボランチはSBの前に相手のターゲットとなって
もっとプレッシャーが厳しいので、
余裕のあるポジションはCBだけとなっています。
ちなみにGKは、余裕があるのですが、
近くに味方がいないので起点にするのは
難しいでしょう。
前田監督のようにパスをつなぐ必要はありませんが、
ロングだけではFWの負担が大き過ぎますし、
攻撃はかなり制限されてしまいます。
基本的にブロックを作ってゾーンで守るスタイルでは
選手が等間隔で並んでしまって
細かくパスをつなぐための小さな密集を
作りにくいので、
ピッチを広く使うための展開力が求められるのです。
しかし、競り合いに強く サイドを変えられるCBは、
Jリーグ全体でもほとんどいません。
日本では高さがあって競り合いに強い
CB自体が激減しているので、
スモールクラブのアビスパが獲得するためには外国人選手しかいないのかもしれません。
日本人選手でそのようなCBのタレントを補強すると
逆にお金が掛かるはずです。
まだ、競り合いに強いボランチを獲得する方が簡単かもしれません。
名前を挙げていくと、柏の近藤、
名古屋の闘莉王、増川、千葉の山口、など
アビスパが獲得するのは難しい選手ばかりです。