アビスパが始動してTRが始まっていますが、この時期は選手のコンディションはバラバラなので、
まだ能力をあれこれと語ったり判断するのは早いですし、
紅白戦などの目的も早い段階でTRに組み込むのなら能力を見極めるのではなく特徴を見極める事にあるはずなので
得点したとかパフォーマンスなどはあまり重要ではないでしょう。

天皇杯で準々決勝
くらいまで勝ち上がったチームの選手はオフなど1ヵ月も無く昨年の疲れやケガなどを引きずった
まま新しいチームで横一線で評価されるので大変ですし、
監督からパフォーマンスはまだ評価しないと言われても試合形式でのTRで他の選手が良い動きをしていれば分かっていても焦りが出て、コンディションが悪い状態で良いプレーを見せようとしてケガなどにつながる事も少なくありません。

監督が変わるとこの傾向はより強くなります。

多くのチームが始動直後はボールを使ったメニューは行わずにフィジカル系のメニュー中心になるのは、バラバラの選手達のコンディションを合わせる事が目的なのです。

アビスパが今季は
専任のフィジカルコーチを置かずにスタートした事に不安を感じている人も多いと思いますが、それほど大きな影響は無いでしょう。

その理由は日本では専任でフィジカルコーチを任せられる程能力の高い人材はいないからです。

日本でそれまで別々に研究されていたものがスポーツ科学と呼ばれるような分野に統合されて、さらに各種目ごとの研究を多くの研究機関が
取り入れ始めたのが90年代、
そして、それが選手個人ではなく広くその種目の現場に反映され始めたのが2000年代に入ってから、研究が本格的に始まったのが90年代では、その研究を学んだ人材が現場に入って来て経験を積んで使えるようになるまで他の分野の例を見ても20年くらい先になります。

それでは現在フィジカルコーチとして活動している人達はどうしているのかと言うと独学で学んでいる人達であって、
それなら監督や他のコーチと何も変わりません。

それでも多くのチームが専任フィジコを置くのは、事務的な手間を省くためと
フィジコは重要な存在なのでサッカー界全体で育てようと言う機運がやっと出て来たからです。

欧州や南米では非常に重要な存在でスカウティング担当のテクニカルスタッフと共に監督とセットで動いていて、例えばJリーグにブラジル人監督が就任すると必ずフィジコも一緒に付いて来ます。