大分戦①強襲!!１トップ２シャドー!!

大分戦で､相手の
１トップ２シャドーに簡単に裏を取られたのには､明確な理由があります。

まず､アビスパの今シーズンの守り方です。
アビスパの今シーズンの守備の基本戦術は､まず､ＤＦラインを高く設定して陣形をコンパクトに保ち､前線からプレスを掛けます。
そして､ＤＦラインの前で動くボールに対しては､ボランチとＣＢがタテのパスコースを切ってワンサイドに追い込んで､高い位置なら､ＦＷとＳＨとボランチが､低い位置ならＳＨとボランチとＳＢがボールホルダーを囲んでボールを奪い､マイボールになったら素早く相手の裏のスペースへシンプルにボールを放り込みます。
相手が無理にタテパスを入れて来たら､ボランチとＣＢが限定していたコースに入ってカットします。

相手がＤＦラインの裏にロングボールを入れて来たら､ＦＷやＳＨがボールホルダーにプレスに行ってボールを入れるタイミングを限定して､そのタイミングに合わせてラインを一気に上げて､裏を狙っている選手は全てオフサイドに掛けるのです。
そのためアビスパは､基本的に､中盤で前を向かれたりサイドを崩されない限り､流れの中で人にマークに付くことはありません。
直接ＦＷにボールが入れば､ＤＦがマークしますが､ボールと直接関係ない動きに対しては付いていかず､ボランチとのマークの受け渡しもなく自由にさせます。
理由は､このような
守備の基本戦術を採っているのに､大分のＤＦラインにプレスを掛けられなかったことです。
ＳＨの２人が大分のウイングに引っ張られたため､ＦＷ２人が大分の３バック､ボランチ､ＧＫの６人を相手にすることになり､当然プレスは掛かりません。
そのためパスコースを限定出来ず､大分のボランチが前を向いて自由にプレーします。
それを阻止するために中町と末吉が前に出てプレスを掛けに行ったので､アビスパのＤＦとボランチの間に大きなスペースが出来ます。
１トップ２シャドーは直接ボールを受けるのではなく､１度そのスペースに下りてフリーになったあとで､大分のＤＦやボランチからボールを受けていたのです。
アビスパのＤＦは自分のゾーンで直接相手がボールを受けなければマークしないので､中盤のゾーンでボールを受ける選手には誰も付いて行かず､１トップ２シャドーは自由に高い位置でボールを持てました。
全員フリーなので、１人が受けて､１人が引き付けて､１人が裏に走れば簡単に裏が取れるのです。