18分、CKでの
サインプレーを、中町が直接決めて、1-1の同点に追い付いた場面です。

栃木は、CKもFKもセットプレーは全て11人全員参加してゾーンで守ります。

ゾーンで守るというのは、相手選手には
マークに付かずに、
それぞれの選手が
担当する場所を振り分けて、選手は自分の担当する場所にボールが来たら競りに行きます。

ゾーンで守っている利点は、普通のマンツーマンの守備では、
マークしている相手の動きに合わせるために、どうしても対応が後手に回ってしまいますが、ゾーンで守っていれば相手に
主導権を渡さずに済みます。

欠点は、自分の担当する場所にボールが来たら、はっきりと前に出てクリアしなければ、相手選手に簡単にフリーでシュートを打たれてしまう所です。
相手に良いキッカーがいて、スピードがあって大きく曲がるボールが入って来ると、誰のゾーンか判断出来ずに、誰も競りに行かないで、相手選手にフリーでシュートを打たれる事もあります。

また、自分が担当しているゾーンにボールが飛んで来るか来ないかばかり意識し過ぎて、自分のゾーンにボールが来なかった時に安心して足が止まってしまい、セカンドボールへの対応が遅れることが多くなります。

栃木のCKのゾーンの配置は、ニアのゾーンに重点的に選手を置いて、さらに、ゴールマウスの中に、ニアとフォア両ポスト付近にも1人づつ配置しているため、フォアサイドと、ニアでもゴールから少し離れた場所に大きなスペースが出来ている、かなり極端な配置になっていました。

中町のゴールは、まさに、その誰も配置されていないゾーンを使って、栃木の選手が誰もボールに反応出来ていない所を、フリーでシュートを打ち決めたものです。

栃木が危険なゾーンを重点的に守るために、そこでフリーでボールにさわられても簡単にはゴールにならないと、あえて捨てているゾーンを使って、いかにしてゴールを奪うか、という課題を見事にクリアした素晴らしいゴールです。

中町からすると、中島のボールが低かったのですがバウンドしていたので、ボールが浮き上がって来た所を、インサイドでしっかりと面を作って、上から足を被せるようにして、浮かさずに抑えてフォアに流し込むことが出来た、中島と中町の高い技術が集約された素晴らしいゴールでした。