今回はゆらゆら帝国、そしてソロプロジェクトでも多数の音楽ファンを巻き込み、いまや日本サブカルの第一人者の1人となった坂本慎太郎をちゃんと考えてみようというお話しなのです。
おい!おい!クソのサブカルのカス大学生!ポパイ読んでねーで勉強しろカス!!りんご音楽祭やら、FUJI ROCKやら、色々なフェスでスカーフ頭に巻いて、ハンチング被って、文化人ぶってんじゃねーよ!ここはお前らのファッションお披露目会場じゃねーんだよ、お前ら喫茶店とレコード屋禁止されたら何も残らねーだろ!そこに落ちてるウンコ食ったら認めてやるよ!はよ食えや!はよ!!食えや!!!早よ食えや!!!!!はよ!!!!!!!!
(2024年12月13日 呂 輝鴻 台北市にて)
○まず初めに坂本慎太郎とは
ゆらゆら帝国というバンドのVo/Gt、坂本慎太郎のソロプロジェクトをやってる、ギターが上手いおじさん。色々な曲を作っていてすごい、あと外見が薄気味悪くて、ギターが上手い。
ということで今回は僕自身が1番好きなアーティストでもある坂本慎太郎のソロプロジェクトについて語っていきます。いま坂本さんの名前を聞くと皆さん思い起こすのは新作の『物語のように』ではないでしょうか。しかし今回から彼のアルバムを時系列順に振り返る形で理解を深めていきましょう。
○『幻との付き合い方』 2011年
ソロプロジェクトとしての第一作目のこのアルバム、基本的なサウンドはベース、ギター、パーカッション、コーラス、ボーカル、ドラム、シンセなど、ミニマムに構成されています。舌触りとしてはポップファンクやポップス、チル、歌謡曲がミックスされ、比較的キャッチーな音楽です。では何が坂本慎太郎の音楽を特別たらしめているんでしょうか。先ほどミニマムな構成と述べましたが、僕が思うに『計算されたなにもなさ』こそ、その特別感の正体だと思います。『思い出が消えていく』や『傷とともに踊る』は当時(2011年)の他の音楽と比較すると、隙間が多く、アレンジに関しても少し物足りなさを感じてしまうような設計です。ところで巷には『シュール』という言葉がありますが、僕は坂本慎太郎の作品を形容するのにピッタリな表現だと思います。それまでお笑いができない人を辛うじて評価する謳い文句としてこの言葉を使っていましたが、坂本慎太郎を聞いた時初めて素直にシュールさを感じることができた気がします。またそのシュールさの体現には彼の歌詞も大きな一因となっています。
【以下歌詞】
『朝が来て、夜が来て、また朝が夜になって、恋をしたり、喧嘩したりしたい』 (君はそう決めた)
『いつもの様な会話を、いつもの様な話題で、まるで何も無かったように』 (何かが違う)
何が言いたいねん、と言ってしまいそうな歌詞ですが、注目して読み解いてみると、ポップソングにありがちなテーマである恋愛や友情、感動、悲しみなど張り詰めた感情を表現するのではなく、『人間が送るごく普通の生活』に羨望を向けるような奇妙な歌詞で埋め尽くされていることが分かります。これは近年のトレンドの日常を愛でましょうみたいな、カネコアヤノライクな4畳半フォークの世界観でなく、まるで死後の世界からこちらを観察しているかの様な世界観です。このやるせなさや、歌詞から発される空虚は彼のシュールさを語る上で外せない要素でしょう。
○なぜ人は坂本慎太郎を聞くのか
坂本慎太郎の作品はシュールであり、やるせないと語りましたが、では何故ポップカルチャーのように人生にありがちな感情の共感や羨望を持たないこの作品に支持者がいるのでしょうか。それはいま私達が生きている人生もよく見ると、そんなにドラマチックで大それたものでもなく、生きる間に恋をして、喧嘩をして、仕事をして、死んでいく、単なる人生だと語っているからでしょう。またこれはこの世界全体を冷笑していたり、刹那的に生きようと扇動しているのでは無く、はたまた絶望している訳でもありません。ただ『この空虚の世界を私は生きています』というポジティブでもネガティブでも無い、極限のニュートラル(無いこと)を表現しているのです。そういった意味では感情讃歌のロマン派の音楽とは対極でありながら、人生の空虚を理解した上で生きていくという意味ではある種のロマン派(人生讃歌)音楽とも受け取ることができます。
全ての物事にそれなりの理由や意味が要求される現代社会では、空虚さや、人生がやるせなく、意味のないものだと思い出すことが難しくなっています。だからこそ逆に淡々と人生の『空っぽさ』を語り、その『空っぽさ』を肯定する曲が一際輝き、価値のあるものに聞こえるのです。人生に色々な意味、理由を見出し、がんじがらめになってしまった人には肩の力を緩ませる様な力を、逆に人生に何の意味も見出せない人には、頷き背中をすっと押してくれるような力があるのです。
いやはや今回も好きなアーティストということでアツく語ってしまいましたな。こんな畏まった文章を書いたあとになんですが、バランスを取るために汚い言葉を使わせて下さい。
ウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチウンチ
ふっーーっ!!!!!
わひょーーーーーーーーーーーーい!!!!!
うっひょひょーーーーーーーーーーーい!!!!
ーこのアルバムが好きな人へのおすすめー
・『Like a Baby』 Jerry Paper
・『The Blue Hour』 キセル
・『Quiet Music for Young People』 Dana and Alden
・『らご』 羅針盤
今回は坂本慎太郎第一弾ということで『幻との付き合い方』を語らせていただきましたが、次回は『ナマで踊ろう』を語ります。ご期待!

