私の人生にもっとも影響を与えたのは、両親でなく、祖母だった

とにかく、すごい強いばあさんだったのだ

祖母の機嫌で我が家は回っていたようなものだった

嫁であった母はものすごく大変だった



祖母は祖父の悪口を毎日毎日いっていた

子供ながらに私は本当に嫌だったしうんざりしていた

祖父母が話すことは、まず喧嘩

仲良くしていた二人を私は一度も見たことがなかった




祖父が介護が必要になってから、祖母は相変わらず祖父に強くて、私は祖母と「おじいちゃんが可哀相」と喧嘩した

今考えると、祖母は動けなくなり、認知症になった夫を受け入れられなかったのかもしれない



祖父は最後、意思疎通ができなくなった

こちらの声かけに反応はなく、痛いときだけ顔をしかめるくらい



でも、亡くなる日は違った

祖母の顔を向きずっと見ていたのだ、もう何もわからないはずだったのに

子供でも孫でもなく、あんなに仲が悪かった祖母と目を合わせていた

その日の夜、祖父は旅立った





そして年月がたち、祖母が認知症になった
「おじいはどこだ?」「おじいの下着を出さないといけない」と、祖父の話をするようになった


あんなに仲が悪かったのに

結局、祖母は祖父のことを好きだったんだなと思った

祖父も最後に気持ちを伝えたかったのは祖母だった




夫婦というものは、まことに不思議なものである