サイエンス研究者がサイエンスに詳しいのは当たり前ですし,むしろ研究職の社会人能力としての偏りに非常に危機感を感じております,にもかかわらず(残念なことに)研究者というものは良い研究をして偉くなればなるほど実験者から遠ざかりプロジェクト管理者になっていきます.
プロジェクト管理とは極論をいうと小さな会社の社長になることだと私は思っています.言いすぎかもしれません.ただそう考えると求められるのは細やかなサイエンスの知識ではなく
・お金の流れ
・社会情勢
・ルールの設定
・人材育成
といったことでしょう.
研究に没頭していたら急に管理者に昇格.これって全くノウハウを持たずに起業するようなもんですよね.
そして研究者って選民思想強い人が多いのか,経験豊富な他人に頼ることをせず,自分ルールで物事を決める場合が多いんですよね(私見)
正直そんなの本人もメンバーも不幸です.
なので私はなるべくフラットな,研究者らしくない研究者でいたいです.そろそろ実験者から遠ざかりそうになっているので,多少焦ってもいますし笑
前置きが長くなりました.
今回紹介する本はこちら
自分のアタマで考えよう
です.
私が日頃から研究者に大事なこと資質と思っていることがしっかり,わかりやすく詰まっていました.私も同様のことを考えてはいたけれどその境界線がぼんやりしていたことに気づかされました,読了して正しい位置で線を引くことができた感覚があります.
日本ではなかなか「思考」についての教育ってされませんよね.研究室の子らにも読ませたいくらいです
ちきりんさんの日本人離れした合理的思考には感動.と思ったらやはり海外50カ国とか行ってる人でした.友達が言ってたことを思い出すけど海外経験ってやっぱりフラットな思考を形成するのに大事なのかな.
さて肝心の中身ですが
見出しから引用すると
・「知っている」と「考える」はまったく別モノ
・最初に考える「決めるプロセス」
・レベルをごっちゃにしないこと
・視覚化で思考を深化させること
あたりはとても大事ですね.
思考は意識的に切り分けないと「なんとなくやった気になる」に陥ります.研究は数字で評価しづらく基準がないので「やった気になる」を正すのは非常に難しいんですよね.
もちろんこの本は研究の話じゃなくて思考法のお話.普段の生活でも重要なことなのは間違いないです.まぁ,生活に使えるという意味では同著者の「ゆるく考えよう」の方がオススメです.
ゆるく考えよう
どちらの本も読みやすいですよ.
余談1:
読みやすいって大事.
分かりにくい実用書って「分かりにくい説明しかできない人」が書いた本,あるいは「分かりにくくしか説明できないほど高度」な内容の本なわけでどっちでも不要と思います.読むの時間もストレスもかかりますし.そんなんじゃ実用できないじゃん.
余談2:
ちきりんさんが女性であることを知ってびっくり.
失礼かもしれませんが,合理的な取捨選択は男性のほうが得意だと思っていたので,こういう女性もいるんだ!ってすごく嬉しかった.
もちろん知的な女性はたくさんいますが,目的が先にあるイメージが強いんですよね.
そういう意味でも目から鱗です.