「Back To The Scene」
今月は『The Last Dragon』 （ラスト・ドラゴン）です。
1985年に公開されたカンフーをフィーチャーした映画です（日本未公開）。
しかもタダのカンフー映画ではなく、1959年に創設されたブラック・ミュージックの草分け的レーベルであるMotown Record（モータウン・レコード）の創設者Berry Gordy, Jr.（ベリー・ゴーディ・ジュニア）が満を持してと言うか、何を血迷ってかプロデュースしてしまった作品です。
モータウンでカンフーってどーよッ？
「ホント、何やっちゃってんだよ～ッ！」
って思って当時観てみたら案の定やっちゃってました（笑）
現在、日本盤DVDは残念ながら（むしろ当然？）未リリースとなっております。
どうしてもご覧になりたい場合は、米国のAmazonから取寄せてください。
実は、モータウンとカンフーって全く関連がないわけでもありません。
というのも、70年代後期に産声を上げたブラック・カルチャー『Hip-Hop』（ヒップ・ホップ）の重要なファクターの一つでもある『Breakin'』（ブレイク・ダンス）って、このカンフーの影響をかなり受けているんです。
ですから、当時の黒人の若者達の間では結構カンフーって人気あったので、そこにブラック・ミュージックの草分け的レーベルであるMotown Record（モータウン・レコード）の創設者のBerry Gordy, Jr.（ベリー・ゴーディ・ジュニア）が目を付けない訳がないのです。
ってか、もしかしたら個人的にも好きだったのかも知れません。
それとも・・・息子にせがまれてかな～？
ストーリーは・・・
Taimak（タイマック）が演じる主人公Leroy Green（リーロイ）は、カンフー界の神様『Bruce Lee』（ブルース・リー）に憧れるニューヨーク・ハーレム地区に住む青年。
カンフー（米国的に言えばマーシャル・アーツ）の奥儀を極める為に日々鍛錬を怠らない。
その姿から仲間内では『ブルース・リーロイ』と呼ばれていた。
そんな彼が、ひょんな事からハーレム地区を乗っ取ろうとする『ハーレムの将軍』ことSho'nuff（ショーナフ）に目を付けられ狙わる事となる。
リーロイは悪の手から自分の身と自分達の街を守るべくカンフーの『最終奥義』を窮めて応戦。
という、何のひねりもない非常にわかりやすい勧善懲悪物語です。
だいたいカンフーモノのパターンって・・・仲間とか兄弟が悪者に酷い仕打ちを受けて主人公が敵討ちをするんですが、一度目はコテンパンにやっつけられて、そこから地獄の特訓の末にようやく無念を晴らすって感じのモノがほとんどです（笑）
この『最終奥義』を窮めるとカラダから金色の光りを放ち、火花を伴うほどの破壊力をもったキックを繰り出す事ができるようになります。
ってホントかよ～ッ？！
スーパーサイヤ人の元ネタはここにあったのか～ッ！
80年代のSFX技術の粋を極めたといったら大げさですが、実写でこのような特殊効果を観るとある意味新鮮です（笑）
2009年には、モータウン設立50周年記念として、Samuel L.Jackson（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）が『ハーレムの将軍』役で出演するリメイク版が制作されると発表がありましたがその後どうなったか不明です。
主なキャスト・・・役名：俳優
Leroy Green：Taimak
Sho'nuff/The Shogun of Harlem：Julius J.Carry Ⅲ
Eddie Arkadian：Chris Murney
Richie Green：Leo O'Brien
Angela Viracco：Faith Prince
Johnny Yu：Glen Eaton
Laura Charles：Vanity
Daddy Green：Jim Moody
Rock：Mike Starr
Tai：Ernie Reyes,Jr.
Mama Green：Esther Marrow
Sophia：Keshia Knight
Roy：Jamal Mason
Jackie：B.J.Barie
Hood：Chazz Palminteri
J.J.：William H.Macy
Kid in pizza shop：Carl Anthony Payne Ⅱ
The Last Dragon/Motown
￥582
Amazon.co.jp
トラックリスト・・・
1.The Last Dragon / Dwight David
2.7th Heaven / Vanity
3.Star / Alfie
4.Fire / Charlene
5.The Glow / Willie Hutch
6.Rhythm Of The Night / DeBarge
7.Upset Stomach / Stevie Wonder
8.First Time On A Ferris Wheel / Smokey Robinson,Syreeta
9.Peeping Tom / Rockwell
10.Inside You / Willie Hutch
Motown Record（モータウン・レコード）がプロデュースした映画の割には、サントラもイマイチぱっとしませんでしたが、DeBarge（デバージ）の"Rhythm Of The Night"「リズム・オブ・ザ・ナイト」だけはかろうじてヒットしました。
コレでヒットもしなかったら、やばかったでしょうね～。
DeBarge（デバージ）はEl DeBarge（エル・デバージ）を中心とするファミリーグループ。
年長の兄弟のTommy（トミー）とBobby（ボビー）は同じくMotown Record（モータウン・レコード）のSwitch（スイッチ）というグループで活躍していました。
この曲は、Laura Branigan（ローラ・ブラニガン）の"Solitaire" 邦題「哀しみのソリティア」をはじめ、その後数々の楽曲を作成するDiane Warren（ダイアン・ウォーレン）の出世作品でもあります。