先月、上海に出張に行ってきた。中国は、行くたびに発展していると思う、と言っても、上海は実に6年ぶりかな。当時は、森ビルが作ったビルもなかったし、地下鉄も全線開通していなかった、と思う。上海は、好きな街。北京よりも好きだな。どこか日本の香りがあるような気がする。


上海に行った理由は、上海のR&Dのオフィスの退職率が激しく、調査しに行け、との上司からの指令。実に、退職率が1年間で47%という驚異的な数字。何としてでも退職率を下げてやるという熱意をもって上海に行ったよ。


まずはじめに、中国のR&D統括責任者とミーティング。お互いに何が問題かの確認、そして、自分が負っているミッションの説明、これから行うことの目的の説明を行い、お昼ご飯を一緒に食べて午後から各部門責任者とのミーティング、というか、インタビュー。次の日は、Key Contributors.とのインタビュー。


インタビューの内容は省く。それとは別に、違うことを実は考えていた。またなんだけど、みんな英語ができるということ。あたりまえだけど、インタビューは英語で行われ、みんなしっかり答えることができた。とっても残念なことに、日本のマネージャー、社員でここまでできる人は数人しかいない。日本の採用選考の仕方も自分に問題があるのだけど、がっかりしたし、何だか頭に来始めた。日本は、「英語ができないから」という、もう無茶苦茶な理由で英語をやろうともしない。かたや、中国では、少なくとも、自分がインタビューした10+の人たちは、みんな問題なくできた。英語ができるから仕事ができる、というわけではない。そして、多くの人は、英語はツールだという。でも、ツールがないと何もできないよ。PCもツールだけど、今、PCがなくて仕事ができるかというと、できるけど、とっても効率が悪いものになると思う。英語も同じ。できないと、とっても効率が悪いし、ツールを使える人と全くコミュニケーションが取れない。それだけ、ビジネスのチャンスを失っているということ。


ちょっと外れたけど、無事にインタビューも終わり、最後に2時間くらいかけて、その中国のR&D統括責任者にWrap Upして、無事に終了。ホテルに帰って、資料にまとめて、上司へ報告。上司が、その資料を米国本社の取締役会のミーティングで発表して、アクションプランが承認され、実際にプランが動いている。


退職率をなくすことは不可能だと思っている。どのようにして減らすかを重点に考えた。退職者が減ってくれるよう、やることやらなきゃ。

ブログを始めたころに、Sick Leaveというタイトルでブログを書いたのだけれども、この前やっとこの件片が付いた。1年以上かかった。


細かい話しはやめとく。結果だけ話すと、解雇した。


とにかく、採用をするときに、素行が悪い人を採用をしてしまったら、疲れるだけ。時間とお金の無駄、さらに、社員全体のモラルにも影響。同じことをする人が出てきた。最悪。


香港オフィスで起こった話しで、もともと派遣社員だった人をわずか1か月後に正社員にしてしまった。まずい。


その首になった人、辞めさせら後に急にコミュニケーションがよくなって、解雇にかかわった自分に推薦状を書いてくれ、とメールで送ってきた。何を考えているのか。推薦なんてできるわけないのに。

インド人の直属の部下が現在2人いて、そのうちのどちらもアグレッシブ。昨年と同じく昇給の時期なんだけど、昇給前の「昇給いっぱいしてね」、という電話での攻勢が毎日続く。2人とも!さらに、1人からは、今年は、「昇格もしてね」、もプラスされてきた!


1人はインドのオフィスの人事部長(Country HRとかLocal HRという呼び方をします)で、昇給予算が10%なのに、インドのマーケットアベレージは12%と、ご丁寧にも新聞とか雑誌の記事のコピーをPDFにして送ってくれる。はぁ。


たとえば、会社での売り上げが昨年と比較して12%なかったら、その分赤字になるんだよ。結果として、リストラとかしなきゃいけなくなるんだよ、とか言っても、とりあえず自分だけ、また、その場がよければよろしいようで、とにかくアグレッシブ。このまえ、旅行しちゃったからお金がないんだ、と。


オーストラリアの人事の人は、昨年末まで産休を取っていたのだけど、その人がインド人。昇給最低でも4%を期待するし、昇格もお願い、と。今回の昇給と昇格は、昨年のパフォーマンスを評価して決めるもので、昨年1日も働いていないのにどうして昇給と昇格ができるの?といっても、とにかく理由をつけてアグレッシブに迫ってくる。「人事の立場でなんてことをいうの・・・」と本当に残念な人。


インドのマネージメントの方々もとにかくアグレッシブ。とにかく、昇給、昇格だけでなく、海外出張時の日当をUSD 60/dayからUSD 70/dayへあげろと。サーベイの結果、mid pointがUSD60だから、あげる理由も必要もない、というと、自分の知っている会社はUSD 70だから、と。特定の会社だけで判断できなく、多くの会社が参加しているSurveyの結果をもとに判断しなくてはなりませんよ、といっても、理解せず、とにかく自分たちの利益のためには戦う。


でも、いったん決まってしまうと、「ああ、そう」と戦っていたのがウソのようにおさまって、いうことを聞いてくれる。


インドに住んだことないし、たかだか1年ちょっとの付き合いだから、あまりはっきりしたことは言えないけど、短い期間の中でもっている感想は、わがまま言い放題だけど、なんとなく憎めないし、嫌いじゃない。正直で純粋さを感じる。