“Kuwako eggs are not sold.” | ーとんとん機音日記ー

ーとんとん機音日記ー

山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記


先日、スペインに住むダニエルさんと仰られる方から、「国内産(スペイン産)の蚕は、三種類を飼っているのだけれど、日本種の野生の蚕であるクワコを飼いたいので、どうしても卵が欲しい。どこで購入できるのか。?また、クワコの卵が買えるようにサポートしていただけないであろうか。?」という、お問い合わせのメールが届きました。



ダニエルさんは、スペインから、このブログで紹介している、わたしの養蚕の様子を興味深く見てくれていたそうです。

日本の片隅の、それも、三重県の山村で取り組んでいる養蚕の様子を、スペインから・・・

こういうことが起きるのも、web発信の面白さかもしれません。

けれども、ダニエルさんが興味をもたれたクワコは、野生種です。

だから、蚕種という商品となって販売されている訳ではありません。


そして、野生種とはいえ、貴重な日本の生物資源です。

・日本の本州産クワコは、中国産クワコとは違う、遺伝子レベルの特徴を持っていること。
・韓国産クワコは、中国産クワコと同じで、かつ、韓国には、日本産クワコの遺伝子が入った雑種やハイブリッドが多く見られるという報告例があること。
・韓国のクワコは、日本産のクワコとは、遺伝子レベルで違うこと。

ダニエルさんからの質問に、そういうことを簡単にまとめて書きましたが・・・。
わたしの、英語能力で、どこまで伝わっているのかと云うことが、心配です。

そして、「もし、ダニエルさんが生物分野の研究者であれば、手続きを執って申し込んだら、日本の学術研究に関わる機関か政府の機関が希望に対して対応してくれるかもしれないという旨を記して御返信いたしました。」


ダニエルさんが、興味を持ったように、
わたしも、クワコはかわいいと思います。

桑の葉を採って来た時に、

たまに、何匹かのクワコがついていることがあって、

それを、見つけたときには、理由もなくうれしくなります。

だから、うちには、そういうクワコをたからせておく桑が一本あって、

そこで大きくなってもらいます。



さぁ。! 間もなく養蚕が始まります。!!

ことしは、また、新しいことを試みます。



日本の片隅の山村でやっていることでも、海外から、興味を持って観てくださる方がいらっしゃるということは、やっぱり、ちょっとうれしいですね。