「すばらしい食品の安全性」と、今なすべきこと。 | ーとんとん機音日記ー

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山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記


事 務 連 絡
平成23年3月18日
各都道府県衛生主管部(局)・各保健所設置市衛生主管部(局)・各特別区衛生主管部(局)御中


●「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に基づく検査における留意事項について

厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課

今般、平成23年3月17日付食安発0317第3号「放射能汚染された食品の取り扱いについて」において、食品の放射能汚染にかかる食品衛生法第6条第2号の該否にかかる暫定規制値を示すとともに、検査に当たっては、標記マニュアルを参照し実施するよう通知したところです。当該暫定規制値については、原子力安全委員会により示された指標値を用いており、当該指標値は、調理され食事に供される形のものに適用されるものとされていることから、同マニュアルに基づく検査を行う場合は、下記に留意の上、実施するようお願いします。


-記-
野菜等の試料の前処理に際しては、
付着している土、埃等に由来する検出を防ぐため、
これらを洗浄除去し、検査に供すること。
なお、土、埃等の洗浄除去作業においては、
汚染防止の観点から流水で実施するなど十分注意すること。




・・・・・・・≪食の安全の為の参考-Food safety-≫・・・・・・・


●「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」厚生労働省
●放射性セシウムに関する一般の方むけのQ&Aによる解説/日本土壌肥料学会
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『試料を、流水で洗浄除去(前処理)し、検査に供する』のですね。

野菜等に残留している放射性物質による汚染を調べるのに、
『このすばらしく科学的な手法で、試料の野菜等の残留放射性物質や線量が暫定規制値を超えていないかを検査するのですね。』


この検査手法で、『暫定規制値を上回った』と伝えられる場合、
実際の畑にある野菜などは、
どれだけの残留放射性物質や線量で汚染されているのでしょうか。
同時に、『暫定規制値以下だった』と伝えられる場合でも、
実際の畑にある野菜などは、
どれだけの残留放射性物質や線量で汚染されているのでしょうか。
また、市場に出回っている野菜などは、
どれだけの残留放射性物質や線量で汚染されているのでしょうか。


この厚生労働省通達による検査方法では、
たとえば、セシウムは水溶性だそうですから、
野菜などの表面に付着しているものは、
試料の前処理のよって洗い流され、
野菜などの作物に吸収された放射性物質と線量が、
検査対象になります。

しかし、よく考えてみて下さい。
先ず、野菜などは、
その全てが洗浄処理の上出荷されるのではありません。
この測定方法で得られたデータを下に、
安全・安全でないという基準にするのなら、・・・

『出荷段階における洗浄程度の基準を、
新たに設ける必要があるのではないですか。?』

それと危惧されるのは、洗浄が完全でない場合、
付着した放射性物質が流通によって、
全国に運ばれ、全国各地の下水汚泥に、
放射性物質が蓄積するということが、
起こりえるということです。

微量だといっても、こういう場合、
汚染の波及を全体に及ぼさないように、
移動の規制を行い封じ込めるのが定石ではないでしょうか。


この厚生労働省さまの、卓越した御通達によって、
『安全な食品がいくつ作られたことでしょうか。』
さらに、この御通達によって、
把握しておくべきリアルな地域の汚染データが、
平成23年3月17日時点から失われました。


中国の高速鉄道の先進性に、
勝るとも劣らないくらいの先進的で科学的な検査手法ですね。



厚生労働省さまの御考えでは、・・・
『野菜などは、調理され食事に供されるのが普通なので、その作物(試料)に吸収された分の放射性物質と線量を測定し、その結果を暫定規制値に照らし合わせて判断すれば、安全かどうかの判断点になる』というようなことなのだと思います。

そいう考え方もあるでしょうが、・・・しかし、・・・
可能性として、『付着した放射性物質が流通によって、
全国に広まってゆくことへの危惧は懐かれなかったのでしょうか。?』

それとも、省内の技官や担当部署のレベルでは、
当然、判断は慎重であるべきだと考えていても、
政府民主党の政治主導によって、このような通達を出さなければならないような運びとなったのでしょうか。?


加えて、もうひとつ疑問に思うのは・・・。

コーデックス委員会の国際食品規格についてなのですが、
この件に関係するのは、厚生労働省さまと、農林水産省さまですね。
しかし、そのどちらの『日本語版コーデックス規格』にも、

原発事故または放射能漏れなどの緊急事態発生後の国際貿易食品における放射性物質のレベル【国際的な合意を得た Codex ガイドラインレベル(Guideline Levels:GLs)】について参考になる、コーデックス委員会が策定した『食品および飼料中の汚染物質や毒素に関するコーデックス一般規格(CODEX STAN 193~1995)』の公式和訳文書が示されていません。

消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であるコーデックス委員会に、日本は1966年より加盟しているそうですね。

今日のように、食品および飼料中の残留放射性物質による汚染が頻発している現状に鑑みれば、食品における放射性物質のレベルの国際基準(GLs)について、国民に広く知らしめてゆく働きかけは、加盟国の食品の安全性に関わる関係省庁としても行わなければならないことなのではないですか。?




・・・・・・・≪食の安全の為の参考-Food safety-≫・・・・・・・


※放射性物質のレベルのGLSは、『食品や飼料の汚染物質及び毒素に関するコーデックス一般規格』のなかに含まれています。
- (CODEX STAN 193~1995)

●食品および飼料中の汚染物質や毒素に関するコーデックス一般規格(CODEX STAN 193~1995)

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さらに、日本は、WHOにも加盟しております。

WHOのサイトでは、・・・
『日本の原子力事故に係わる懸念』という項目の中に、

『Health action in crises(健康維持への危機)/食品の安全性』
・・・というページがリリースされていて、
WHOの見解が示されていますよね。

また、・・・
『Joint FAO/IAEA Programme(FAOとIAEAの合同プログラム)』では、

『農業食品に係わる、放射能汚染の予防と軽減のために即時行動に移すように勧める推奨事項』・・・という内容がリリースされています。
それには、野菜作りと家畜飼料を保護するために、プラスチックシートまたは防水シートでカバーをするというような具体的な提案が示されています。
なぜ、厚生労働省さまと、農林水産省さまは、このような有益な情報を知りえた立場にありながら、
『緊急時情報の中に盛り込んでリリースされなかったのでしょうか。』
そうすれば、『飼料の藁が汚染されることによって、飼育されている牛が汚染され、汚染された牛肉が市場に出回る』という、消費者にも、生産者にもつらい事態が起こり得ることを事前に防げたかもしれませんし、そのうちの何割かの回避、また、飼料の藁に対する注意喚起につながり、少なくとも市場に出回る以前に管理されていた可能性が高いのではないでしょうか。


原文は英文ですが、ぜひ皆様におかれましては、翻訳ソフト等によって概要(大意)を知るだけでも益がありますから、・・・

●『農業食品に係わる放射能汚染の予防と軽減のために、即時行動に移すように勧める推奨事項』(Suggested Advice on Immediate Actions for the Prevention and Mitigation of Radioactive Contamination of Agricultural Foodstuffs)

・・・をご一読下さい。


そして、できるなら、厚生労働省さま、農林水産省さまにおかれましても、国民のために、コーデックス一般規格や、WHO、FAO、IAEAなどの食品や健康の安全性に関係する配布文書の公式和訳バージョンをリリースしていただきたいものです。

WHO-被曝リスクに対する捉え方-
正確な評価を提示するためにはこの状況の継続的なモニタリングが非常に重要である。
しかし、放射線関連健康影響は被ばく量によってさまざまであると思われる。
被ばく線量もまた、原子炉から放出された放射線量、爆発時の風雨などの気象条件、発電所から被ばく者までの距離、および被ばく者が照射区域にいた時間の合計によって左右される。



・・・・・・・≪食の安全の為の参考-Food safety-≫・・・・・・・


※本来加盟国の政府機関が母国語に翻訳の上、
公に公式訳文書を配布しなければならないような、
WHOの見解あるいは提言について、
民主党管政権は適切な対応を怠っているので、
業を煮やしたのか、
WHOのオフィシャルサイトのサバー内に、
『日本語の非公式訳』による、
『原子力に関する緊急事態発生時における食品安全-WHO文書-』
・・・というようなものがありました。

●「2011年5月 原子力に関する緊急事態発生時における食品安全」

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わたしたちは、わたし達の食の安全を守る為に、
今、よく考えて、
今、なすべきことを、
惑わされずに、迷わず行うこととが大切です。

ーとんとん機音日記ー-食品の放射性物質汚染