お茶のお手伝い、お茶返し。 | ーとんとん機音日記ー

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山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記


先日、隣のおばあちゃんが、お茶畑の草引きをしていた。
その頃は、昼間はとても暑く、
日が陰ると急に冷え込んで来るという気候。

おばあちゃんは、90歳なので、元気そうにはしているが、
やっぱり、“しんど”そうな表情を見せる時もある。
話を聞くと、年々自分の身体の衰えを自覚しつつ、
でも、家の周りの畑仕事や茶畑の管理など、
自分でやれる事は、
きっちりと自分でやるという意思が真直ぐに通っていて、
それが、とってもおばあちゃんらしくてカッコイイ。

先日は、そのおばあちゃんには珍しく、
暑い中で畑仕事をつづけたからか、
ちょっと疲れ気味のように感じたので、
ちょうど、仕事の手が空いていたわたしは、・・・
「おばあちゃん、草引き大変やね。手伝おうか。?」って、
声をかけた。

おばあちゃんは、
“いいよ。”と言いつつも、「ありがと。」と言った。

それから、ふたりで、茶畑に行き、草を引いた。

山の傾斜地での作業は、思ったよりも大変。
それに茶ノ木の根元にも、小さな草が生えてきているので、
それを屈んで手を伸ばして引っこ抜かなきゃならないから、
おばあちゃんにとっても、軽い作業ではないハズなのに、
わたしよりも、確実に、そして早く仕事を進めてゆく。


茶畑の草引きなんて、わたしにとっては初めての経験で・・・。
だから、あんまり、役に立つ手伝いになっていなかったと思う。


・・・なのに、御礼にと言って、こんなにお茶をいいただいた。

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茶畑の中では、太陽の日射しが強くあたると、
仄かなお茶の香りが漂うというような経験など、
わたしにとっては、教わる事が多かった。

そして、なによりも隣のおばあちゃんは、
「どう生きて、どう老いるか。」というような事について、
私のお手本にしたいような“ひと”。

「おばあちゃん、お茶ありがとう。!!」


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