織ることと、染めることの合間に。 | ーとんとん機音日記ー

ーとんとん機音日記ー

山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記



“自然の色で染める”という言葉を聞くと、
植物染色って、ロマンチックなことのように思えるけど、
染料になる植物を採って来たりして、
実際には結構な重労働です。


葉っぱや木の枝や樹皮や草の採取してきたものを、
すぐに使う場合もあるけれど、
多くの場合、天日干しにしたり、陰干しにしたりして、
それをナイフや鋏などで、細かく切り刻んで使うので、
織ったり、染めたりしてる合間に、
そういう作業をする必要があります。

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これを一気にすると、手にマメができるし、肩が凝るので、
ちょっとした時間を見つけて、
少しずつでも貯めてゆくようにしないと、
効率よく作業が進みません。

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染色は、だいたいですが、一回に、
染めようとする糸の重さと、
同じ重さより少し多めの染料が必要です。

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《染料になる樹液がつまった虫瘤》


染め色に深さや味を出したり、
または、しっかりとした色に染め付ける為に、
だいたい6~7回から10回は染める作業を繰り返します。
だから、1㎏の糸を染める為には、
単純計算でも、最低6~7㎏の染料が必要なので、
織ったり、染めたりしてる合間には、
染料を細かく切り刻む作業に追われています。