こんな花見つけた。 | ーとんとん機音日記ー

ーとんとん機音日記ー

山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記


 このところ、クラフト展や、御声がけいただいたデパートでの販売会などへの参加で忙しくて、すこし工房を留守にしていたので、久しぶりに工房に戻り、田舎の空気や時間の流れの中に帰ると、ホッとします。


 でも、工房に戻ったら、戻ったで、
留守にしていた間に届いた連絡や、滞っていた作業、
新しくつくらなければいけないものや、
注文を御受けしたものをつくる予定の調整などに追われ気味になっているから、気ばかりが、あせるのですが、・・・。


 昨日は一日くらい、ゆっくり、ぼ~っと過ごしたくて、
夕方、お気に入りの滝のところまで散歩に出かけました。

 すると、道端に面白い野草が咲いているのを見つけました。マムシグサの仲間だと思うのですが、とってもきれいなグリーンの色をしています。

ムロウテンナンショウ_1

ムロウテンナンショウ_2


 はじめて見たものなので、名前がわからず、よく見る野草のサイトで調べてみました。

"ムロウテンナンショウ"のようです。

・野の花賛花―自生の姿を追って―
ムロウテンナンショウ(室生天南星)


  このような野山に自生する"食用にされないサトイモ科の植物"や里芋は、その葉などが民俗行事に利用されている事が見られる例があって、
例えば、多良間島で行われているウプリ(虫送り)行事では、
虫をビッヴリ゜ガッサ(クワズイモ)の葉に包み、
Y字形をしたテリハボクの葉が付いたままの枝の先端を結わえてつくった舟に乗せて海に送り出し、決まった場所に沈めると聞くし、サトイモの葉にお盆の祖霊迎えの供物を乗せて供えたりするので、面白いなと思う。


 それにサトイモと云えば、「芋正月」や「芋名月(十五夜)」や「芋煮会」などの民俗行事の中に名が残るように、わたし達、日本人と関わりが深い作物です。
 稲作以前からの関わりも指摘されているように、その古さも一様では無さそうですし、サトイモには伝統的に栽培されて来た地域独特の品種が多いそうで、
千葉県館山市茂名で行われている里芋祭りでは、神撰用の茂名芋とよばれるアカメを、品種の交雑を避けながら各戸で栽培され続けているそうなのですよ。

 この御祭りで使われる里芋も、最近話題の地域の伝統野菜の一種だと思うのですが、地元でも、あまり用いられなくなったりすると、行事を維持して行くのも大変な事になるのでしょうね。でも、こういう作物が身近にあるくらしっていいですね。